まっしろいキャンバスに、色とりどりの未来を描くのは私自身だ。
「あの子はなにもできやしないさ」
生まれてからずっとそういわれていた
「授業についていけないから、学校に来なきゃいいのに」
とクラスメイトがからかってくる。
私を生んだお母さんも、毎日つらい言葉を聞いているようだ。
「人とは違う」といわれ、村でも、学校でも私の居場所はなかった。
「あなたの夢は何ですか」「夢を持ちなさい」と大人たちはいうけれど、私は「明日」という未来すらも想像できず、口を閉ざしてしまう。
村に、チルドレン・スタディ・クラブができた。学校が終わってから通える補習校だ。「ここでもいじめられたらどうしよう」と最初は怖かったけれど、クラブの先生が笑顔で迎えてくれた。
クラブに通うのは私と同じような辛さを抱えている子どもたちで、すぐに仲良くなった。
クラブでは、先生がわかるまで繰り返し教えてくれる。また紙の字が読みづらいクラスメイトのためにタブレットが用意されている。
いままで私にぴったりのもの、ばしょがなかっただけ
そして一緒に歩んでくれるひとがいなかっただけなんだ
自分のペースで勉強できて、「わかった!」と思う小さな成功体験が増えていくごとに、自分が強くなっていると感じられる。
自分の未来を描くのは、自分自身。
いまそれができると信じられるようになった。私にとっての大きな、大きな一歩だ。