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2010.11.10 更新

カンボジア SCADPで生活する子どもたち

 10月19日~10月29日、事業担当高田がカンボジアへ出張しました。

 19日の夜から27日までSCADP(カンボジアのNGO。寺子屋教室をエファジャパンと共同運営。)の事務所兼子どもたちのシェルターで過ごし、彼らの生活状況を確認しました。プノンペン市内にある、この施設で暮らす子どもたちの背景は様々です。保護者が他界している、保護者が養育を拒否している(保護者が行方不明)、保護者はいるが貧困のため/家庭内暴力のため共に暮らせないなど、いずれも家庭環境になにかしらの痛みを抱える子どもたちです。SCADP職員の調査によりカンボジア全国から、家庭環境に恵まれず地域コミュニティから疎外され“子どもの権利”を奪われた子どもたちが集まってきます。

 ここで暮らす最年少の男の子は3歳で、今年8月に入居したばかりです。父親は兵士で不在、母親は行方不明になり保護者がいない状況にありました。今はSCADPで暮らす年長者(10代後半~20代前半)たちが親代わりとして、また共に暮らす子どもたちが兄弟・姉妹代わりとして生活し、大きな家族の一員として活発に毎日を過ごしています。

 SCADPで生活する子どもたちはこれまで、英語や日本語などのクラスで学び、様々な団体が主催する社会福祉関連のワークショップに参加し、また毎週講師と共にカンボジア伝統舞踊の練習を実施していたりと、教育・文化分野での活動を継続・促進してきました。特に年長者の伝統舞踊に関しては、国際機関が開催するシンポジウムのレセプションにおいても披露するなど、かなりの実力を身につけています。

 しかし、子どもたちの発達に適切なエネルギー量や栄養素が考慮されていない食事や手洗い習慣の欠如など、栄養や衛生面の知識が求められる食習慣全般については、これまで着目されてきませんでした。食事作りや1日にかかる食費の管理、そして子どもたちの健康管理は、基本的に年長者たちが行っています。彼らが築いてきた生活基盤を崩すことなく、より健康的な生活が習慣化されるよう新たな試みについて、彼らと一緒に考えています。