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エファ通信

2010.05.27 更新

エファ通信81号

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エファ通信81号
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みなさま

今号から、インターンの高田がエファ通信の編集を担当させ
ていただきます。読みやすく関心が湧くような内容を目指し
ます。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、突然ですが、
2つの人形を想像してみてください。

1つは「誰か人が壊した人形」
もう1つは「机から落ちて壊れた人形」

どのように壊れていますか?

悪意があったのか、偶然の事故なのか…
地震のためか、どの程度の高さの机か…

すべてみなさんのご想像におまかせします。

詳細は省きますが、これは私の卒業論文で扱ったテーマで
写真など色々使い3~6歳の子どもたちに1人ずつアンケー
トをとりました。

すると「誰か人が壊した」という他者が関わっている理由
のほうが、人間が関わっていない理由よりも「たくさん壊
れて、直らない」と判断する子どもが高い確率で多かった
のです。

私が調べた限り、この問題を扱った心理学者はいません。

しかしもしかしたら、

子どもたちの認知は、人為性に対して何らかのバイアスがかか
るのかもしれません。つまり人間関係における体験は、そうで
ない体験とは異なる方法で認知・記憶されるといえます。

よい体験も、いやな体験も人間関係のなかで起こることは強い
イメージを与えるのでしょうか。
私たちにとって、そして子どもたちにとって、それだけ人間関
係は“無意識的に”重要なのかもしれません。

■■目次■■

○お知らせ○
・会員のみなさま<総会資料をお送りしました>
・書き損じハガキ、募集中です
・エファジャパンを教育の場に

○主な動き○
・理事会報告
・ベトナム+カンボジア出張報告
・ラオス活動報告

○ちょこっトピック○
・平和学

○寄付情報○

○会員情報○

◆◆◆お知らせ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

会員のみなさま<総会資料をお送りしました>
————————–
エファジャパン会員総会の会場が変更となりました
【6月16日(水)18:30~ 自治労会館6会議室A・B】です。

会員のみなさまには、総会開催通知及び出欠票を、4月下旬の
『えんぱわ』と一緒にお送りいたしました。また、総会資料を本
日会員のみなさまへ発送いたします。2~3日中にお手元に届かな
い場合はエファ事務局までご連絡ください。

書面表決を予定されている正会員のみなさまは、総会資料をご
覧いただき、同封の書面評決書にご記入・押印の上エファジャパ
ン事務局あて郵送またはFAXにてお送りくださいますようお願
いいたします。正会員以外の方で総会へのオブザーバー出席をご
予定の場合も出欠票のご返送をお願いいたします。
正会員のみなさまにおかれましては、ご出席、委任、書面評決
のいずれかにより議決にご参加くださいますよう重ねてお願い申
し上げます(※総会の成立には正会員の過半数による議決が必要
となります。)。出欠票・書面評決書の電子データをご希望の方
はエファジャパン事務局までご請求ください(ただし、事務局へ
の返送は郵送またはFAXのみ受け付けしております)。

ご協力のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

書き損じハガキ、募集中です
————————————-
みなさまからご協力いただいている書き損じハガキ・未使用
切手・未使用プリペイドカードの回収ですが、1枚でも多くの
ご協力をいただけるよう、エファジャパンでも試行錯誤してお
ります。投函されていないハガキなら、印刷ミスで汚れていて
も古いものでも構いません。ハガキは郵便局で切手に交換され、
現金化しベトナム・ラオス・カンボジアの子どもたちの支援と
なります。例えば、ハガキ33枚で、寺子屋教室に通う子ども1人
分の勉強セット(1年分の文房具・教材、T-シャツなどが入った
通学バック)になります。
ハガキは郵便局で交換されるまで、個人情報保護のため鍵を
かけて保管しています。
団体やグループでもより気軽に、簡単に回収が進むよう卓上
用の回収箱の新デザインを考案しています。「こんな箱ならハ
ガキを入れやすい/エファ事務局へ送りやすい」というご提案、
ご意見もお待ちしております。新しいチラシも完成予定です。

「使えないけど捨てられないハガキ」が、エファ事務局に届
くと子どもたちを支える1枚に変身します。

エファジャパンを教育の場に
————————————-
子どもの権利を実現するために活動しているエファジャパン
は、これまで国内外を問わず子どもを囲む人々や社会へ積極的
に働きかけてきました。また子どもたち自身にも、自分たちが
もつ権利について知ってもらうことも視野に入れています。子
どもの権利が日本や海外でどのように実現されているのか、日
本の子どもたちにも感じてもらうため、エファジャパンでは修
学旅行や総合学習などでの事務所訪問を受け入れています。
クイズやDVD視聴などを盛り込んで楽しく、わかりやすくベト
ナム・ラオス・カンボジアの子どもたちについて紹介します。
学校の課題や国際協力にふれてみたいなど、子どもたちの様々
なきっかけに対応します。教員の方々やご父母のみなさまなど
ご関心のある方はエファジャパンまでお問い合わせください。

▼▼▼活動報告▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

理事会報告
———————
去る4月12日に2010年度第1回の理事会が開催されました。今
回は主に6月に控えたエファジャパン会員総会に備え、2009年度
の決算・事業報告案と、2010年度の予算・事業計画案について
審議され、おおむね承認されました。これらの案については6月
の総会で会員のみなさまに審議・議決していただくことになり
ます。
また、今回の理事会で自治労本部総合企画総務局国際部長の
佐藤克彦氏が理事に選任されました。

ベトナム+カンボジア出張報告
———————
広報宮原が5月16日~23日の間ベトナムとカンボジアへ出張し
ました。

<ベトナム>
ベトナム子どもの家を所管するハイフォン児童保護基金と会合
し、今後のハイフォン市における困難な状況にある子どもたちへ
の支援について今後の方向性を聞いてきました。児童保護基金は
地域の子どもたちを対象とした活動を強化していく考えでエファ
ジャパンでもどのような形で支援できるか検討していきます。

ベトナム子どもの家では卒業生4人に来てもらい話を聞くこと
ができました。昨年卒業した1人を除き、残り3人は子どもの家設
立当初に保護された子どもたちで、現在は20代半ばの青年に成長
しています。話をよく聞いてみると、そのうちの2人がもうすぐ
結婚する予定であることが判明。保護されている子どもたちは皆
本当の兄弟姉妹のように育っていきますが、卒業生同士が結婚す
るのは初めてのことだそうです。インタビューの様子はまた別の
機会に詳しくご紹介させていただく予定です。

以前エファジャパンを通じて自治労佐賀県本部から楽器と運動
機器を寄付していただいた障がい児クラブのうちのひとつも訪ね
ました。この障がい児クラブは、地区の人民委員会事務所の医務
室を借りているため週3回午前中のみ活動しています。文字の練
習や運動といった活動のほか、退職した小学校の音楽の先生が現
在このクラブを指導しているため楽器や音楽の活動も盛んです。
6月の国際子どもの日に地区で行われるイベントではこのクラブ
の子どもたちも発表することになっているそうで、半年以上練習
してきた曲を披露してくれました。エファジャパンとしては、今
後こうした障がい児クラブへの支援も検討していく方針です。

<カンボジア>
カンボジア子どもの家(国立幼稚園教員養成学校&付属幼稚園)
での訓練生の様子を取材しました。一昨年までは1学年の定員が
100名でしたが昨年から入学定員が200名に増え、今年は全2学年計
400名の訓練生が寮生活をしながら勉強していました。老朽化した
校舎の建て替えと重なり、図書室を閉鎖し一時的に寮として使って
いたり、敷地内に2年前に建設されたASEAN事務所の部屋を借
りて授業をしたりとなかなか大変な状況です。
また、訓練生たちにボランティアで保育技術を指導している荒川
さんも1週間前から現地入りし、2倍に増えた訓練生のために教材作
成の材料購入や仕分けなどの準備を忙しく進めておられました。
6月に卒業する2年生は1ヶ月でエプロンシアターを2作品、その後
荒川さん帰国までの1ヶ月で1年生がパネルシアターを2作品制作す
るということで、かなり厳しいスケジュールですが、作品は卒業後
に持ち帰り実際の保育で使えるため、指導にも力が入っています。

3月にエファジャパン会員の小学校教諭に先生研修をしていただ
いたスラムの寺子屋教室で、授業の様子を参観しました。それぞれ
研修にて学んだ方法を取り入れている様子で、先生から見ても、子
どもたちの集中力や理解度が高まっていると言っていました。教室
の生徒にも数人インタビューしましたが具体的にどう変わったとい
うのは難しいものの、前より授業が分かりやすくなったと答えてい
ました。今後長期的な成果として子どもたちの成績にどのように表
れてくるか見ていきたいと思います。

ラオス活動報告
—————–
カムワン県子ども文化センター(CCC)がセバンファイ郡ノンボン
村に出張活動に行きました。ジュニアリーダー(=JL:年長の子ど
もボランティア)と先生で訪問した村にて、4月上旬に研修で習った
ことを実施してきました。参加した子ども達は歌やゲームで身体を
ほぐし、絵画やリサイクル工作、読み聞かせなどを楽しみ、正しい
手洗いの方法や栄養バランスの取れた食事などについて学び、最後
にCCCのJLと村の子どもたちの歌や踊り交換会をして終わりました。

外務省日本NGO連携無償資金協力を得ているセコン県CCCで、初め
ての出張活動を県都から約2時間離れたカサンカン村にて実施しまし
た。この村にはJICAの支援によって建てられた新しい小学校があり、
その小学校の校庭と校舎を使っての活動となりました。
校庭では子どもたちが歌やゲームを楽しみ、その後3グループに分
かれて絵画・リサイクル工作・読み聞かせをしました。校舎内では
交代で図書室担当となる先生方6人がCCCの職員2人に本の登録方法、
紙芝居や絵本を使った読み聞かせの方法などを1日かけて教えてもら
いました。これまで、「図書室候補」の部屋はあったけれど、本も
家具もなかったこの学校の先生たちは、「本が寄贈して頂けたので、
図書室が出来ます」とうれしそうに話していました。

今年2月に完成したノンセンチャン村コミュニティ図書館では、職
員が近隣の小中学校の先生と一緒に2回目の研修を受けました。講師
となったのは、前回と同じ国立図書館の職員2人。今回は2日間にわ
たって、ペープサートの作り方・演じ方、紙芝居の使い方など、読
書推進運動の仕方を学びました。2日目の午後には子どもたちの前で
実践演習を行い、子どもたちも楽しい時間をすごしました。

■□■ちょこっトピック■□■□■□■□■□■□■□■□■□

平和学
—————-
多くの国際協力機関が口を揃えて発する「平和」という言葉。
しかしこの「平和」ほど難しいものはないかもしれません。多様な
意味を持ちえるからこそ、様々な場面で根本理念として利用されや
すいのではないでしょうか。
抽象的に捉えられがちな「平和」という概念ですが、これを科学
的に研究する“平和学”があります。今回は学問としての「平和」
の可能性をちょこっトピックします。

<平和=暴力の克服>
平和学は根本的に、戦争の原因と平和の条件を探求します。ノル
ウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥングは、平和とは「暴力の不在
であり、暴力を克服するプロセスである」としました。
彼によると「暴力」とは人々が持っている潜在的な実現可能性を
奪う不当な力をさします。

<平和実現に向けた市民活動>
オハイオ州立大学のチャドウィック・F・アルジャーによると、
1990年代以前の平和実現手段は国連の活動が重要であったのに対し
それ以降はNGO/市民社会の活動が重要になりました。
非政府組織(NGO)、あるいは非営利組織(NPO)は国益から離れ
た別の価値を基本に行動することができ、各国の利益追求では解決
できない、普遍的な「平和」実現への取り組みが可能であるといわ
れます。
国家の枠にとらわれず、NGOと市民社会が横つながりのネットワ
ークを固めていくことが平和構築に不可欠となっています。

<ハーグ・アジェンダ>
NGOによる、平和実現の世界的な見取り図として挙げられるのが、
ハーグ平和アピール市民社会会議(1999年5月)が作成した「21世
紀の平和と正義のためのハーグ・アジェンダ」です。これは戦争の
廃絶と平和の実現という課題を

(1)戦争の根本原因/平和の文化
(2)国際人道・人権法及び制度
(3)武力紛争の予防・解決・転換
(4)軍縮及び人間の安全保障

という4つの領域に整理しています。各領域に準じ「1.戦争肯定の教
育から平和、非暴力、国際協力のための教育へ転換する」から「50.
戦争の廃絶をめざすうえで中心的な役割を担う市民社会の運動を強
化する」までの、50項目の達成すべき課題が示されています。

同会議の最終日に発表された「公正な世界秩序のための10の基本
原則」の第一原則には「各国議会は、日本国憲法9条のような、政府
が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきである」とされてい
ます。

前述の通り平和とは、最も直接的には「戦争を止め、起こさせな
い」ことです。NGOや市民が活動できるのは人道、経済、社会分野で
あり、戦争に直結するような政治や安全保障の分野でない、つまり
「平和」の領域でNGOができることは極限られている、という意識は
世界的に強くあります。

そのような中でも、平和のための市民活動は、戦争を起こさせな
い社会やルールづくり、戦争被害の記録や伝達、被害者のサポート
など、様々に広がっています。

引用・参考文献:
君島東彦編(2009)『平和学を学ぶ人のために』世界思想社

▼△▼寄付をいただきました▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

2010年4月20日~5月25日確認分 ありがとうございました。

一般寄付(用途を指定しない) 計¥988,385
・団体(匿名)1
・イーココロ募金
・JANICサポート募金

ベトナム 計¥26,000
・かみひとねっとわーく

●●●会員情報●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

HP掲載は省略

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発行人 イーデス・ハンソン   編集担当 高田みほ