練馬区の保育士だった荒川智子さんは、58歳で退職しカンボジアでのボランティアを始め、2001年からカンボジア子どもの家(幼稚園教員養成学校)で保育指導ボランティアを続けています。1年のうち9ヶ月間は日本の保育園で嘱託職員として働き、それを資金として3ヶ月ほど養成学校で指導するという生活を続けてきましたが、ここ数年は日本での勤務の都合で、カンボジアに滞在できるのは2週間ほどになりました。
しかしそれまでの実績が認められ、現在では荒川さんが指導してきたことの多くが養成学校の授業に取り入れられており、荒川さん自身の滞在期間は短くてもなんとか指導は進められる状況になっています。
荒川さんは学校からの強い要望で1年生にはパネルシアター、2年生にはエプロンシアターを毎年指導しています。材料を市場で購入し、2学年合わせて400名の訓練生一人分ずつをセットするのは1週間かかる大仕事のため、今年はエファジャパンの奨学金を受けている訓練生25名にも仕分け作業を手伝ってもらいました。奨学生は自由になるお金がほとんど無く、休みの日も養成学校の寮から出ることはありません。食費を浮かせるために朝食を抜くことも多いため、食事やおやつを提供し、休みを賑やかに作業しながら過ごしました。今年まで指導した軍手人形(軍手をベースに作る指人形)も、来年からは材料のみを提供し、作り方は養成学校の先生が授業で扱う予定です。
荒川さんの活動が養成学校の指導内容充実に大きな役割を果たしていることから、エファジャパンでは荒川さん募金でみなさまのご協力をいただきながら、渡航費と材料費(訓練生の分も含む)を支援しています。