カンボジアの首都プノンペンでは、スラムに30万人が住んでいると言われています。エファジャパンでは、スラムに住む学校へ通えない子ども達のため、カンボジアの市民団体SCADP(スキャップ)と共同でスラム内寺子屋教室を運営し、同時に教員研修や日本語パンフレット作成などでSCADPの団体運営も支援してきました。
SCADPは、寺子屋教室、PC教室・外国語教室、保護者へのカウンセリング、職業訓練などを通してスラムの子ども達の生活・教育をサポートするほか、ストリートチルドレンなど、家庭環境に恵まれず地域コミュニティから疎外された子ども達を保護しています。団体支援の一環として、この10月にエファジャパンスタッフが1週間余り子ども達と一緒に生活し、状況を確認しました。
SCADP事務所の建物とその隣のシェルターで暮らしているのは3歳~20代前半歳の約40人。10代後半以上の年長の子ども達が親代わりとして、食事の支度や身の回りのことなど小さい子ども達の世話をしながら、お互いが兄弟・姉妹として大家族のように生活しています。子ども達は、日中は学校や寺子屋教室で勉強したり、シェルターでの仕事をしていますが、そのほかSCADP内外で実施されている様々な教室にも参加し、特にSCADPでの年長者の伝統舞踊は、国際機関が開催するシンポジウムのレセプションで披露するなど、かなりの実力を身につけています。
しかし今回の訪問で、発育・発達に必要なカロリー・栄養や、食事の前の手洗いなどの衛生面など、食事に関わる生活習慣にはあまり注意が払われていない様子が分かりました。健康的な食習慣を確立するための支援を、今後検討していきます。