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エファ通信85号
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みなさま
2010年9月9日付のインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙
に、興味深い記事が載っていました。
アメリカの精神科医ジェームズ・ゴードン氏率いる無料の心身スト
レス軽減プログラムに、パレスチナ、ガザ地区の地元住民約10,000名
が参加し、未だ多数者が参加待ちの状態だそうです。ワシントン州の
ジョージタウン・メディカルスクールで臨床教授として勤務する68歳
のゴードン氏はユダヤ系アメリカ人。2002年からガザ地区を訪れるよ
うになり「人々が無力感を感じる日常的な悲劇に変化を起こす力はな
くても、今までとは違うように自分の世界をみる手助けはできる」と
語っています。氏は40年間に渡り身体的なリラックス法から心のスト
レスを軽減させる技法を研究及び実践し、これまでにボスニア・ヘル
ツェゴビナ、コソボ、(ハリケーン・カトリーナ後の)ルイジアナ州、
イスラエル等で人々の怒りや抑うつ、無気力等の軽減に貢献してきま
した。
「夫は病気。数日前に親友が亡くなり、昨晩イスラエル軍が近所を
爆撃しました。でもこのグループに参加すると安心できます。みんな
自分たちの気持ちを表現でき、誰かが自分のことを心配してくれてい
ると感じられるのです。(参加者のコメント)」参加した女性たちは
自分の子どもたちにもリラックス法を実践しているそうです。
このプログラムの状況やその効果については、実際に参加者の様子
や参加後の生活を見ない限りわかりませんし、この記事が“アメリカ
の視点”である事実も拭えません。ただ、ずっとこのようなグループ
の必要性と同時に、その実践の難しさを感じていた私にとって、この
記事が伝える内容は意味のあるものでした。
日常的な悲劇が繰り返される土地で生きる人々の、途方も無い無力
感、矛先が明確なようで混乱する苛立ち、守られる感覚や安心感の欠
如…
そういった感情は、爆撃音など知覚的な恐怖と共に個人的トラウマ
へ、そして社会的トラウマへ根を下ろし、“不安定”の蔓延化へ循環
しているように思います。
その渦中に生きる人々には彼らにしかわからない強さがあるでしょ
う。しかしそんな彼らでも、国籍や宗教、文化等を超えて自分自身を
表現し、自分の悲鳴をあげられる場所を求めているならば、そのよう
な安全基地を準備することは、無意味なことではありません。
■■目次■■
○お知らせ○
・ホームページ リニューアル!!
○主な動き○
・理事会報告
・自治労定期大会 in徳島
・高知県出張報告
・ベトナム出張報告
・ラオス活動報告
○ちょこっトピック○
・ユニセフ発 “子どもへの支援とMDGs”
○寄付情報○
○会員情報○
◆◆◆お知らせ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆ホームページ リニューアル!!
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スタッフ日記はすでに新しいものをご覧いただいていますが、本体
のエファジャパンのホームページも現在リニューアルするため準備を
しています。新しいホームページオープンは10月(現在のところ第2週
にオープンの予定)!お楽しみに!!
エファグッズのページは、少し遅れてショッピングカートシステム
と共に新しい商品も少し加えて登場します。オープン予定は…決まり
次第お知らせします!
今まであまりエファジャパンのサイトにはお越しになっていなかっ
たみなさんも、この機会にぜひ一度のぞいてみてください。お待ちし
ております。
▼▼▼活動報告▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
◆理事会報告
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去る9月8日に2010年度第3回の理事会が開催されました。2010年度
上半期事業・会計報告の他、就業規則改正について審議されおおむね
承認されました。
「ベトナム子どもの家」の将来計画について、8月に実施されたベ
トナム社会福祉局との会見報告を含め審議され、当面は現在の支援及
びベトナム社会福祉局との協議を続行していくことになりました。
◆自治労定期大会 in徳島
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8月26日と27日自治労第82回定期大会が徳島市で開催され、エファ
ジャパンは会場でパネル展示及びエファグッズなどの販売を実施しま
した。
ハンソン理事長は大会2日目の来賓挨拶後エファジャパンのブース
にてグッズを販売しました。大勢の方々にお立ち寄りいただき大会2
日間で売上合計が\122,650となりました。今年はラオスでストリート
チルドレンや人身売買被害女性のために活動している団体が作成して
いるグッズも販売し、こちらも好評だったため今後も販売を継続する
予定です。
大会関係者のみなさま、ブースに足を運んでいただいたみなさま、
本当にありがとうございました。
◆高知県出張報告
—————–
徳島市で開催された自治労定期大会に先立ち、事務局長の大島が自
治労高知県本部と土佐清水市職員労働組合を訪問しました。県本部の
組織強化委員会でハンソン理事長に講演の機会をいただいたこともあ
り、今後の継続的なご協力をお願いしました。土佐清水市職員労働組
合は、非常に多くの方々がエファパートナーとして登録されています。
日頃のご支援、ご協力に深く感謝いたします。
テレビの大河ドラマの影響で、高知県内至る所で「龍馬」が取り上
げられている様子が印象的でした。
◆ベトナム出張報告
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9月20日~24日、ハイフォン市内5ヶ所にある障がい児クラブの先生
たちを対象とした「能力強化研修」のため、ラオス駐在員の中村がベ
トナムに出張しました。研修は「ベトナム子どもの家」にて実施され、
日本から2名の講師を招き研修生5名と「子どもの家」所長の計6名が、
日本の社会福祉制度や障がいの種類、身近なものをリサイクルして障
がいのある方々と一緒に行うレクリエーション活動などについて学び
ました。
利用できるものが少ない状況でも、古新聞やペットボトルを工夫し
て活用し色々なことができるという発想は、研修生たちにとって新し
く、今後に役立つ知恵となったようです。
障がい児クラブと「子どもの家」の先生たちが、今回得たスキルを
充分に活かし、よりよい活動を実践していくことが期待されます。
◆ラオス活動報告
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シェンクワン県子ども文化センター(CCC)では、自治労大分県本
部のご支援により8月から開始した「不発弾啓蒙教育ピアエデュケー
ション研修」を実施しました。ピアエデュケーションとは、同世代の
仲間同士で知識を共有し相互理解を深めていく方法であり、既にカム
ワン県CCCでこの研修を実施しています。UXOラオ(不発弾処理や啓蒙
をする政府機関)シェンクワン支部と、バーネット(保健に関するピ
アエデュケーション活動をしているNGO)から講師を招き、不発弾に関
する基礎知識や不発弾のリスクを回避する方法、ピアエデュケーショ
ンの手法を利用した村の子どもたちへの啓蒙方法などを学びました。
今回研修に参加した子どもたちは、雨季が終わり次第ラオス不発弾国
家調整機関(NRA)と共に対象村において啓蒙活動を実施します。
ルアンパバン県では2008年まで自治労佐賀県本部からご支援をいた
だいていた事業が再開しました。8月30日、ルアンパバン県情報文化局
(DIC)と今後2年間の事業に関する合意書を締結し県内の郡にあるCCC
の能力強化研修や図書館、活動用具を支援することになりました。8月
30日から3日間、全11郡のCCCの先生1名とDICのCCC担当者1名が参加し
子ども文化センターの意義や重要性、運営方法、所長の役割、先生の
役割や適正、活動計画の立て方、報告書の書き方と地域から支援を得
る方法などについて学びました。
日本外務省の資金協力を得ているセコン県CCCの事業では9月1日~7
日に「子どもの権利研修」を実施し、CCCやDICの職員とジュニアリー
ダーの子どもたちが参加しました。子どもの権利、児童労働、人身売
買、男女平等などについて学び、子どもの権利をテーマにした演劇や
ゲームの制作を練習しました。
■□■ちょこっトピック■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
■ユニセフ発 “子どもへの支援とMDGs”
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ミレニアム開発目標(MDGs)とは世界が抱える課題解決のため、2000年
に国連や各国政府などが共通に掲げた8つの目標です。目標達成の期限
は2015年。目標の達成状況においては、改善された項目も悪化した項目
もあります。
・MDGs 8つの目標:
①極度の貧困と飢餓の撲滅
②普遍的初等教育の達成
③ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
④乳幼児死亡率の削減
⑤妊産婦の健康の改善
⑥HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止
⑦環境の持続可能性の確保
⑧開発のためのグローバル・パートナーシップの推進
今回はMDGsと世界の子どもたちに関する、ユニセフ(国連児童基金)
の動きをちょこっトピックします。
<ユニセフの重点分野>
ユニセフはMDGs達成のための中期事業計画(2006~2013年)において
以下5つの活動重点分野を設定しています。
①子どもの生存と成長
②基礎教育とジェンダー格差の是正
③HIV/エイズと子ども
④子どもの保護
⑤政策分析と政策提言、及びパートナーシップ
これらの相互に関連した分野へ焦点化することにより、MDGsを効果的
に達成することが見込まれています。
<2つの報告書 ―格差の是正―>
MDGs達成の進捗状況に対し、ユニセフから今年9月に発表された2つの
報告書は新たな視点と取り組みの必要性を説いています。
『目標達成のための格差の是正』によると、これまでMDGs達成の指標
とされてきた各国内の平均値では、国内外で広がりつつある貧困格差や
地域/国家間における子どもの発達差を表していないとしています。これ
に対し最も貧しく困難な状況にある子どもたちやコミュニティへの支援
を優先する(格差を是正する)ことでMDGs目標達成にも大きく近づくこ
とを指摘しています。
疾病、栄養不良、非識字や子どもへの暴力といった問題は最も貧しい
国や地域で蔓延しそこで生きる子どもたちに影響を与えています。子ど
もたちの生存と発達のため“公平さ”へ焦点化したアプローチにより、
彼女ら/彼らに不可欠なサポートを実施していくことはMDGsに限らず様々
な子どもに対する国際的公約を果たすことになります。
このような焦点化は道徳的に正しいばかりでなく、他のアプローチに
比べ効果的・効率的に多くの子どもたちの生存や成長を保持することが
できるとされています。
一方『子どもたちのための前進:公平性のあるMDGsの達成をめざして』
では、各目標に準じた課題解決の達成率を貧困レベル、教育レベル、性
別、都心部/農村部といった違いのあるグループ間で比較しその差を提
示しています。例えば、ほとんどの国において農村部に住む子どもたち
は都市部に住む子どもたちに比べ低体重で初等教育を受けにくく、5歳未
満で死んでしまう確率が高くなっています。また、貧困レベルや居住地
(都心部または農村部)に関わらず、女児の初等教育就学率は男児より
も低くなっています。
ユニセフがあえてこの時期、介入すべき対象となる子どもたちを焦点
化したことは、MDGs達成がこのままでは難しいという世界の焦りも感じ
させます。新たな視点とはいえ、困難な状況で生きる子どもたちに対し
ても“公平な”眼差しから支援し参入させていくことは、目標の数値的
達成率を評価するためだけであっては、ならないでしょう。
参考サイト:
・「日本ユニセフ協会」関連ページ
http://www.unicef.or.jp/osirase/back2010/1009_03.htm
・「ユニセフ」関連ページ(上記報告書ダウンロード可、英文)
http://www.unicef.org/media/media_55913.html
▼△▼寄付をいただきました▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
2010年8月26日~9月29日確認分 ありがとうございました。
ラオス(コミュニティ図書館) 計¥3,049,670
・個人 6名
カンボジア 計¥2,000
・yahoo募金
●●●会員情報●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
HP掲載は省略
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発行人 イーデス・ハンソン 編集担当 高田みほ