エファジャパン年次(ねんじ)報告(ほうこく)2021

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アジアの子(こ)どもたちが「自分(じぶん)のものがたり」を描(えが)く日(ひ)のために。

 

  エファジャパンは、戦禍(せんか)に苦(くる)しみ、終戦後(しゅうせんご)も極度(きょくど)の飢餓(きが)と貧困(ひんこん)に苦(くる)しむベトナム、カンボジア、ラオスの人々(ひとびと)の姿(すがた)を、長(なが)い間(あいだ)見(み)つめてきました。

  紛争(ふんそう)の爪痕(つめあと)は、彼(かれ)らの心(こころ)と大地(だいち)に残(のこ)り、自(みずか)ら声(ごえ)を上(あ)げにくい子(こ)ども、女性(じょせう)、高齢者(こうれいしゃ)、障害(しょうがい)がある人(ひと)たちに影(かげ)を落(お)としています。この苦(くる)しみ、悲(かな)しみ、憎(にく)しみは、将来(しょうらい)にわたり、負(ふ)の連鎖(れんさ)として受(う)け継(つ)がれていく。それは日々(ひび)の報道(ほうどう)で知(し)るウクライナ紛争(ふんそう)のあり方(かた)と、なにひとつ変(か)わりません。このような現実(げんじつ)に目(め)を背(そむ)けてはならないと思(おも)うのです。

  未来(みらい)を拓(ひら)きたいと願(ねが)う子(こ)どもたちが、安心(あんしん)して生(い)きられる環境(かんきょう)を守(まも)りたい。さまざまな価値観(かちかん)と文化(ぶんか)に触(ふ)れながら、その多様性(たようせい)を豊(ゆた)かさとして捉(とら)え、共(とも)に生(い)きることのできる社会(しゃかい)を創造(そうぞう)していく。エファはその使命(しめい)に基(もと)づき、アジアの子(こ)どもたちが希望(きぼう)と夢(ゆめ)に満(み)ちた「自分(じぶん)ものがたり」を描(えが)けるよう、努力(どりょく)を続(つづ)けてまいります。

 

 

image00002.jpgエファジャパンの組織(そしき)

支援者(しえんしゃ)

 

会員(かいいん)

正会員(せいかいいん)   121人(にん)
シニア会員(かいいん)   61人(にん)
賛助(さんじょ)会員(かいいん)個人(こじん)   33人(にん)
賛助(さんじょ)会員(かいいん)団体(だんたい)   34団体(だんたい)

総会(そうかい)

(正会員(せいかいいん)で構成(こうせい))

 

・エファパートナー

  (個人(こじん)79、団体(だんたい)59)

・一般(いっぱん)寄付者(きふしゃ)(個人(こじん)、団体(だんたい))

・事業(じぎょう)指定(してい)寄付者(きふしゃ)(個人(こじん)、団体(だんたい))

・ボランティア

 

 

理事会(りじかい)

理事長(りじちょう)   伊藤(いとう)  道雄(みちお)    認定(にんてい)NPO法人(ほうじん)アジア・コミュニティ・センター21代表(だいひょう)理事(りじ)
副理事長(ふくりじちょう)   川本(かわもと)  淳(あつし)  全(ぜん)日本(にほん)自治(じち)団体(だんたい)労働(ろうどう)組合(くみあい)中央(ちゅうおう)執行(しっこう)委員長(いいんちょう)
理事(りじ)   学頭(がくとう)  貴子(たかこ)     株式会社(かぶしきがいしゃ)日(に)本(ほん)経(けい)済(ざい)新(しん)聞(ぶん)社(しゃ)編集(へんしゅう)金融(きんゆう)・市場(しじょう)ユニット記者(きしゃ)
理事(りじ)    木下(きのした)  究(もとむ)       公益社団(こうえきしゃだん)法人(ほうじん)東京(とうきょう)自治(じち)研究(けんきゅう)センター研究員(けんきゅういん)
理事(りじ)    栗本(くりもと)  正則(まさのり)   NPO法人(ほうじん)FAIRROAD(ふぇあろーど)副理事(ふくりじ)
理事(りじ)   関(せき)  尚士(ひさし)   エファジャパン事務局長(じむきょくちょう)
理事(りじ)    高橋(たかはし)  篤(あつし)    こくみん共済(きょうさい)coop(こーぷ)自治労(じちろう)共済(きょうさい)推進(すいしん)本部(ほんぶ)副本部長(ふくほんぶちょう)
理事(りじ)    玉井(たまい)  一匡(かずまさ)    玉井(たまい)一匡(かずまさ)建築(けんちく)研究所(けんきゅうじょ)代表(だいひょう)
理事(りじ)    渡戸(わたど)  一郎(いちろう)    明星(めいせい)大学(だいがく)名誉(めいよ)教授(きょうじゅ)
監事(かんじ)    榎本(えのもと)  朋子(ともこ)    全日本(ぜんにほん)自治(じち)団体(だんたい)労働(ろうどう)組合(くみあい)総合(そうごう)企画(きかく)総務(そうむ)局長(きょくちょう)
監事(かんじ)   宮原(みやはら)  朝香(あさか)    認定(にんてい)NPO法人(ほうじん)ゴールドリボン・ネットワーク事務局長(じむきょくちょう)

 

顧問(こもん)

イーデス ハンソン        公益社団(こうえきしゃだん)法人(ほうじん)アムネスティ・インターナショナル日本(にほん)特別(とくべつ)顧問(こもん)

 

事務局(じむきょく)

事務局長(じむきょくちょう) 関(せき)  尚士(ひさし)
経理(けいり)・総務(そうむ) 高田(たかた)  俊哉(としや)
海外(かいがい)事業(じぎょう)   鎌倉(かまくら)  幸子(さちこ)
広報(こうほう)・ファンドレイジング 増村(ますむら)  康亮(こうすけ)

 

2022年(ねん)3月(つき)31日(ひ)  時点(じてん)

 

ご挨拶(あいさつ)

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  平素(へいそ)よりエファジャパンの活動(かつどう)にご理解(りかい)とお力添(ちからぞ)えをいただき、心(こころ)より御礼(おんれい)申(もう)し上(あ)げます。

  新型(しんがた)コロナウイルス感染(かんせん)拡大(かくだい)がはじまって以来(いらい)2年(とし)と半年(はんとし)が経過(けいか)しました。一筋(ひとすじ)の明(あ)かりが見(み)え始(はじ)めたとはいえ、今(いま)もって感染(かんせん)防止(ぼうし)と生活(せいかつ)・経済(けいざい)のバランスを取(と)りながらの手探(てさぐ)りの日々(ひび)が続(つづ)いています。不幸(ふこう)にも命(いのち)を落(お)とされた多数(たすう)の方(かた)たちがおられるなか、持続(じぞく)可能(かのう)な開発(かいはつ)目標(もくひょう)(SDGs)((エスディージーズ))報告(ほうこく)2021年(とし)によると、2020年(ねん)には新(あら)たに1億(おく)1,900万(まん)から1億(おく)2,400万(まん)もの人々(ひとびと)が「極度(きょくど)の貧困(ひんこん)」へと追(お)いやられました。この増加(ぞうか)は過去(かこ)数十年間(すうじゅうねんかん)で初(はじ)めてということです。

  そして2022年(ねん)4月(がつ)24日(か)。世界(せかい)を驚(おどろ)かせたロシアによるウクライナ侵略(しんりゃく)は、世界(せかい)に大(おお)きな衝撃(しょうげき)を与(あた)え影響(えいきょう)を及(およ)ぼしました。数(かず)多(おお)くのウクライナ市民(しみん)が命(いのち)を奪(うば)われ、街(まち)は破壊(はかい)され、若(わか)いロシア兵(へい)も命(いのち)を落(お)とし、そしてウクライナから逃(のが)れた難民数(なんみんすう)は700万人(まんにん)を超(こ)え、これらの人々(ひとびと)はこれからの生活(せいかつ)の見通(みとお)しもついていません。

  コロナ感染(かんせん)拡大(かくだい)に加(くわ)え、世界(せかい)で多発(たはつ)し続(つづ)ける戦争(せんそう)や紛争(ふんそう)による人道(じんどう)危機(きき)。経済(けいざい)・食料(しょくりょう)危機(きき)はより広範(こうはん)な地域(ちいき)に急速(きゅうそく)に広(ひろ)がり、アフリカの人々(ひとびと)を含(ふく)む世界(せかい)で最(もっと)も脆弱(ぜいじゃく)な人々(ひとびと)への影響(えいきょう)はとりわけ深刻(しんこく)で、今後(こんご)さらに貧富(ひんぷ)の格差(かくさ)が拡大(かくだい)する恐(おそ)れがあります。

  人類(じんるい)の喫緊(きっきん)の優先(ゆうせん)課題(かだい)は戦争(せんそう)・紛争(ふんそう)を終焉(しゅうえん)させ、平和(へいわ)を取(と)り戻(もど)し感染(かんせん)拡大(かくだい)と闘(たたか)うことです。私(わたし)たち市民(しみん)一人(ひとり)ひとりが声(こえ)をあげ、世界(せかい)の人々(ひとびと)と共(とも)に政府(せいふ)に働(はたら)きかけ収束(しゅうそく)に向(む)けて手(て)を携(たずさ)えていくことから始(はじ)まります。

  エファは、その使命(しめい)に基(もと)づき、すべての子(こ)どもたちが安心(あんしん)に生(い)きることができ、希望(きぼう)と夢(ゆめ)に満(み)ちた「自分(じぶん)ものがたり」を描(えが)けるよう、不断(ぶだん)の努力(どりょく)を続(つづ)けてまいります。2022年(ねん)度(ど)は新(しん)5か年計画(ねんけいかく)、「エファビジョン2022-2026」のスタート年(ねん)です。障害(しょうがい)があり、貧困(ひんこん)の中(なか)にある子(こ)どもたちに一層(いっそう)光(ひかり)をあて、そうした子(こ)どもたちが力強(ちからづよ)く生(い)きることができるよう、サポーターの皆(みな)さまと共(とも)に努力(どりょく)してまいる所存(しょぞん)です。

  本年度(ほんねんど)も引(ひ)き続(つづ)き変(か)わらぬご理解(りかい)とご支援(しえん)を宜(よろ)しくお願(ねが)い申(もう)し上(あ)げます。

 

特定(とくてい)非営利(ひえいり)活動(かつどう)法人(ほうじん)エファジャパン

理事長(りじちょう)  伊藤(いとう) 道雄(みちお)

 

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【エファジャパンが実現(じつげん)したい社会(しゃかい)(ビジョン)】

▶ すべての子(こ)どもたちが可能性(かのうせい)と創造性(そうぞうせい)を発揮(はっき)し、自分(じぶん)ものがたりを描(えが)ける社会(しゃかい)に。

 

【エファジャパンの使命(しめい)(ミッション)】

▶ どんな困難(こんなん)な状況(じょうきょう)にあっても、未来(みらい)を拓(ひら)きたいと願(ねが)うアジアの子(こ)どもたちに、教育(きょういく)を通(つう)じて生(い)きる力(ちから)を培(つちか)います。

▶ アジアの開発(かいはつ)途上国(とじょうこく)の障害(しょうがい)がある子(こ)どもたちが、安心(あんしん)して生(い)きられる環境(かんきょう)を家族(かぞく)やコミュニティと共(とも)に創(つく)ります。

▶ さまざまな価値観(かちかん)と文化(ぶんか)に触(さわ)れ、多様性(たようせい)を豊(ゆた)かさとして捉(とら)え、アジアの子(こ)どもたちが、共(とも)に生(い)きることのできる社会(しゃかい)づくりに、地域(ちいき)の人々(ひとびと)と取(と)り組(く)みます。

 

【エファジャパンの行動(こうどう)指針(ししん)(バリュー)】

▶ 一人(ひとり)ひとりの違(ちが)いを認(みと)め合(あ)い、尊(とうと)びます。

▶ つつみこみ、みまもり、みとめあう家族(かぞく)、コミュニティの力(ちから)を支(ささ)えます。

▶ 選択肢(せんたくし)という可能性(かのうせい)を生(う)みだし、広(ひろ)げます。

▶ 最適(さいてき)な“情報(じょうほう)”、“居場所(いばしょ)”を届(とど)けるために、より良(よ)い手段(しゅだん)を考(かんが)え抜(ぬ)きます。

▶ 自(みずか)らが変(か)わろうとする意志(いし)と行動(こうどう)を応援(おうえん)します。

▶ 共(とも)に歩(あゆ)み、学び(まなび)、成長(せいちょう)します。

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■ ビエンチャン都立(とりつ)図書館(としょかん)運営(うんえい)支援(しえん)

  ラオスの公共(こうきょう)施設(しせつ)の開館(かいかん)時間(じかん)は、平日(へいじつ)9時(とき)から16時(じ)までです。2021年(ねん)度(ど)は仕事(しごと)帰(かえ)りの人(ひと)や学生(がくせい)が利用(りよう)できるようにするために、16時(じ)から18時(じ)、週末(しゅうまつ)は9時(じ)から12時(じ)の開(かい)館(かん)延長(えんちょう)を実施(じっし)しました。それにともなって職員(しょくいん)へ時間外(じかんがい)手当(てあて)を支給(しきゅう)しました。

  首都(しゅと)ビエンチャンがロックダウンになった時期(じき)があり、その結果(けっか)、2021年(ねん)の利用者数(りようしゃすう)は5,119人(ひと)と2020年(ねん)(利用者数(りようしゃすう):18,376人(ひと))の半分(はんぶん)以下(いか)でしたが、都民(とみん)の学(まな)びを支(ささ)える拠点(きょてん)としてソーシャルディスタンスを徹底(てってい)しながら開館(かいかん)しました。

  なお2021年(ねん)は、ビエンチャン都立(とりつ)図書館(としょかん)開館(かいかん)から15年目(ねんめ)にあたる年(とし)です。15年間(ねんかん)のデータを収集(しゅうしゅう)・分析(ぶんせき)したり、インタビューを行(おこな)ったりして評価(ひょうか)報告書(ほうこくしょ)としてまとめました。

 

■ 学校(がっこう)図書館(としょかん)・図書室(としょしつ)運営(うんえい)支援(しえん)

  2021年(ねん)4月(つき)から2022年(ねん)2月(つき)まで、新型(しんがた)コロナウイルス感染症(かんせんしょう)の影響(えいきょう)で学校(がっこう)が休校(きゅうこう)となり、児童(じどう)は自宅(じたく)待機(たいき)・自宅(じたく)学習(がくしゅう)を余儀(よぎ)なくされました。この間(かん)、郡(ぐん)を超(こ)える移動(いどう)に制限(せいげん)がかかっていたため、本(ほん)の配布(はいふ)などは学校(がっこう)が再開(さいかい)された2月(つき)以降(いこう)に行(おこな)うことになりました。

  2021年(ねん)度(ど)はビエンチャン都(と)およびサワンナケート県(けん)にある8つの小学校(しょうがっこう)の図書館(としょかん)・図書室(としょしつ)の運営(うんえい)支援(しえん)として、絵本(えほん)を中心(ちゅうしん)に図書(としょ)930冊(さつ)を配布(はいふ)。また2年(ねん)前(まえ)に図書室(としょしつ)を設置(せっち)した4校(こう)については、ラオス国立(こくりつ)図書館(としょかん)の職員(しょくいん)が追加(ついか)の技術(ぎじゅつ)指導(しどう)を行(おこな)っています。

 

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■ 図書(としょ)管理(かんり)システム導入(どうにゅう)支援(しえん)

  ラオスの公共(こうきょう)図書館(としょかん)は、まだ図書館(としょかん)システムが導入(どうにゅう)されていない館(かん)が多(おお)く、図書(としょ)館員(かんいん)は貸出(かしだし)・返却(へんきゃく)の記録(きろく)を手書(てが)きのノートで管理(かんり)しています。蔵書(ぞうしょ)を検索(けんさく)ができるコンピューターがないため、利用者(りようしゃ)は本(ほん)の有無(うむ)を図書(としょ)館員(かんいん)に聞(き)く必要(ひつよう)がありました。

  そこで、ラオスの北部(ほくぶ)にあるシェンクワン県(けん)およびサヤブリー県(けん)の県立(けんりつ)図書館(としょかん)への図書(としょ)管理(かんり)システムの導入(どうにゅう)を支援(しえん)しました。システムがインストールされたPCおよび必要(ひつよう)な備品(びひん)一式(いっしき)を配布(はいふ)するだけでなく、図書(としょ)館員(かんいん)がスムーズに利用(りよう)できるように、ラオス国立(こくりつ)図書館(としょかん)職員(しょくいん)による研修会(けんしゅうかい)を行(おこな)いました。

  また研修会後(けんしゅうかいご)、モニタリングを実施(じっし)し、追加(ついか)の技術(ぎじゅつ)指導(しどう)を実施(じっし)しています。

 

■ 思考(しこう)とスキル向上(こうじょう)のための読書(どくしょ)推進(すいしん)プロジェクト

2021年(ねん)9月(がつ)より「ラオス子(こ)どもの家(いえ)財団(ざいだん)」と協働(きょうどう)で、障害(しょうがい)がある子(こ)どもたちと少数(しょうすう)民族(みんぞく)の子(こ)どもたちを対象(たいしょう)とした事業(じぎょう)を開始(かいし)しました。

  このような子(こ)どもたちが多(おお)い学校(がっこう)を対象(たいしょう)とした読書(どくしょ)推進(すいしん)活動(かつどう)により、障害(しょうがい)がある子(こ)どもたちが文字(もじ)の読(よ)み書(か)きだけではなく、生(い)きるのに必要(ひつよう)な情報(じょうほう)に触(ふ)れる機会(きかい)をつくるのが目的(もくてき)です。

  2021年(ねん)度(ど)は、ラオス子(こ)ども財団(ざいだん)の施設内(しせつない)にモデルとなる図書室(としょしつ)を設置(せっち)しました。

 

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image00010.jpg ドンクワイ村(そん)小学校(しょうがっこう)図書館(としょかん)モニタリング

image00011.jpg ビエンチャン都立(とりつ)図書館(としょかん)

image00012.jpg 図書(としょ)管理(かんり)システム導入(どうにゅう)研修会(けんしゅうかい)

image00013.jpg タトーン村(むら)小学校(しょうがっこう)図書館(としょかん)モニタリング

 

ラオスの来期(らいき)活動(かつどう):各図書館(かくとしょかん)の管理(かんり)システム導入(どうにゅう)を支援(しえん)

  2022年(ねん)度(ど)はベトナム国境(こっきょう)にあるフアパン県立(けんりつ)図書館(としょかん)への図書(としょ)管理(かんり)システムの導入(どうにゅう)支援(しえん)を行(おこな)います。それにより都市部(としぶ)(ビエンチャン都(と)、ビエンチャン県(けん))、地方部(ちほうぶ)(シェンクワン県(けん)およびサヤブリー県(けん))、そして辺境部(へんきょうぶ)への導入(どうにゅう)が行(おこな)われることになります。

  また2021年(ねん)度(ど)に行(おこな)ったビエンチャン都立(とりつ)図書館(としょかん)評価(ひょうか)に基(もと)づき、都立(とりつ)図書館(としょかん)だけでなく、図書館(としょかん)を管轄(かんかつ)しているビエンチャン都(と)情報(じょうほう)文化(ぶんか)観光局(かんこうきょく)とも、今後(こんご)の図書館(としょかん)のあり方(かた)について協議(きょうぎ)する予定(よてい)です。

 

 

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■ 国立(こくりつ)幼稚園(ようちえん)教員(きょういん)養成(ようせい)学校(がっこう)の奨学金(しょうがくきん)支援(しえん)

  カンボジアでは、幼稚園(ようちえん)教員(きょういん)の資格(しかく)が取(と)れる教員(きょういん)養成(ようせい)学校(がっこう)が首都(しゅと)プノンペン市(し)にしかありません。エファは2021年(ねん)度(ど)、地方(ちほう)の高校(こうこう)を優秀(ゆうしゅう)な成績(せいせき)で卒業(そつぎょう)しながらも、経済的(けいざいてき)に困窮(こんきゅう)しているため進学(しんがく)を断念(だんねん)しなければならない学生(がくせい)14人(ひと)を対象(たいしょう)に、奨(しょう)学(がく)金(きん)による支援(しえん)を行(おこな)いました。

 

■プノンペン市(し)およびプレアビヒア州(しゅう)  児童(じどう)保護(ほご)施設(しせつ)支援(しえん)

  カンボジアには、経済的(けいざいてき)な理由(りゆう)などで保護者(ほごしゃ)に育児(いくじ)放棄(ほうき)された子(こ)どもたちがいます。エファは彼(かれ)らを預(あず)かっている児童(じどう)保護(ほご)施設(しせつ)の運営(うんえい)を支援中(しえんちゅう)です。

  プノンペン市(し)で22人(にん)、プレアビヒア州(しゅう)で45人(にん)の子(こ)どもたちが、児童(じどう)保護(ほご)施設(しせつ)で寝泊(ねと)まりをしながら、学校(がっこう)に通(かよって)っています。2021年(ねん)度(ど)は、子(こ)どもたちの文房具(ぶんぼうぐ)や教科書(きょうかしょ)、日用(にちよう)雑貨(ざっか)などを支援(しえん)しました。

 

■プレアビヒア州(しゅう)の奨学金(しょうがくきん)支援(しえん)

  中学校(ちゅうがっこう)がない辺境地(へんきょうち)に暮(く)らしていて、経済的(けいざいてき)な事情(じじょう)により退学(たいがく)の危機(きき)にある学業(がくぎょう)優秀(ゆうしゅう)な子(こ)どもたち3人(にん)に、2021年(ねん)度(ど)の奨(しょう)学(がく)金(きん)を支給(しきゅう)しました。この奨学生(しょうがくせい)たちは児童(じどう)保護(ほご)施設(しせつ)にて生活(せいかつ)をしながら、元気(げんき)に中学校(ちゅうがっこう)へ通(かよ)っています。

 

■ 国境(こっきょう)地帯(ちたい)のノンフォーマル(学校外(がっこうがい))教育(きょういく)支援(しえん)

  プレアビヒア州(しゅう)はタイとの国境(こっきょう)にあり、内戦中(ないせんちゅう)は長(なが)らくポル・ポト派(は)の支配(しはい)下(か)に置(お)かれていました。そのため公(おおやけ)教育(きょういく)の整備(せいび)が立(た)ち遅(おく)れ、いまだに小学校(しょうがっこう)がない村(むら)も存在(そんざい)します。

  そのような5つの村(むら)に、子(こ)どもたちに読(よ)み書(か)き、計算(けいさん)を学(まな)ぶことができるノンフォーマル教育(きょういく)を受(う)け

 

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られる寺子屋(てらこや)を設置(せっち)しています。エファは2021年(ねん)度(ど)、寺子屋(てらこや)で学(まな)ぶ380人(にん)の子(こ)どもたちへの文(ぶん)房(ぼう)具(ぐ)支援(しえん)、寺子屋(てらこや)の先生(せんせい)に対(たい)する給与(きゅうよ)補填(ほてん)を行(おこな)いました。

 

■ カンダール州(しゅう)学童(がくどう)保育所(ほいくしょ)支援(しえん)

  2021年(ねん)度(ど)、カンダール州(しゅう)バンテアイデック村(むら)の学童(がくどう)保育所(ほいくしょ)で働(はたら)くスタッフの給与(きゅうよ)を支援(しえん)しました。バンテアイデック村(むら)は工場(こうじょう)で働(はたら)いている家庭(かてい)が多(おお)いこともあり、この学童(がくどう)保育所(ほいくしょ)は親(おや)が仕事(しごと)に行(い)っている間(あいだ)、子(こ)どもたちが遊(あそ)び、学(まな)ぶことができる場所(ばしょ)となっています。

 

■ カンボジア農村部(のうそんぶ)の障害児(しょうがいじ)のライフスキル向上(こうじょう)プロジェクト

  2021年(ねん)9月(つき)に、首都(しゅと)プノンペン市(し)から150キロ離(はな)れたカンポット州(しゅう)にある3つの集合(しゅうごう)村(そん)にチルドレン・スタディ・クラブを開設(かいせつ)しました。このクラブには障害(しょうがい)がある子(こ)どもたち30人(にん)が放課後(ほうかご)に集(つど)い、学(まな)ぶ場(ば)となっています。

  エファは、クラブに通(かよ)う子(こ)どもたちに生活(せいかつ)に役立(やくだ)つ情報(じょうほう)を届(とど)けるため「子(こ)どもの権利(けんり)条約(じょうやく)」「公衆(こうしゅう)衛生(えいせい)」などのワークショップを開催(かいさい)しました。また、障害(しょうがい)があっても担(にな)うことのできる仕事(しごと)として、家庭(かてい)菜園(さいえん)のトレーニングを開催(かいさい)。保護者(ほごしゃ)も一緒(いっしょ)に受講(じゅこう)してもらいました。

  クラブ開設(かいせつ)直後(ちょくご)はずっと下(した)を向(む)いていた子(こ)どもたちですが、「大(おお)きな声(こえ)で黒板(こくばん)の字(じ)を読(よ)むようになった、夢(ゆめ)を語(かた)るようになった」との報告(ほうこく)が届(とど)いています。

 

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image00018.jpg プレアビヒア州(しゅう)カンピン村(むら)寺子屋(てらこや)教室(きょうしつ)

image00019.jpg 国立(こくりつ)幼稚園(ようちえん)教員(きょういん)養成(ようせい)学校(がっこう)

image00020.jpg ノンフォーマル教育(きょういく)(寺子屋(てらこや))への文房具(ぶんぼうぐ)支援(しえん)

image00021.jpgプノンペン市(し)児童(じどう)保護(ほご)施設(しせつ)物資(ぶっし)配布(はいふ)

 

カンボジアの来期(らいき)活動(かつどう):2022年(ねん)度(ど)は各事業(かくじぎょう)をさらにアップデート

  「カンボジア農村部(のうそんぶ)の障害児(しょうがいじ)のライフスキル向上(こうじょう)プロジェクト」では障害(しょうがい)がある子(こ)どもたちが通(かよ)うモデルとなる図書館(としょかん)を整備(せいび)し、そのための教材(きょうざい)開発(かいはつ)などにも力(ちから)を入(い)れていきます。

  児童(じどう)保護(ほご)施設(しせつ)、カンダール州(しゅう)学童(がくどう)保育所(ほいくしょ)、ノンフォーマル教育(きょういく)の各事業(かくじぎょう)はカンボジアのNGOであるSCADP(Street Children and Development Program)と共同(きょうどう)で実施(じっし)しています。これまで行(おこな)ってきた事業(じぎょう)の振(ふ)り返(かえ)りと、現在(げんざい)の現地(げんち)ニーズの調査(ちょうさ)を行(おこな)い、今後(こんご)の協働(きょうどう)事業(じぎょう)について見直(みなお)しや発展(はってん)させていく予定(よてい)です。

 

 

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■「アジア子(こ)どもの家(いえ)」奨学金(しょうがくきん)事業(じぎょう)

  「アジア子(こ)どもの家(いえ)」事業(じぎょう)は、1999年(ねん)よりハイフォン市(し)に500万円(まんえん)を委託(いたく)し、その受取(うけとり)利子(りし)を運用(うんよう)して奨学金(しょうがくきん)を提供(ていきょう)しています。本奨学金(ほんしょうがくきん)基金(ききん)の目的(もくてき)は、ハイフォン市(し)児童(じどう)保護(ほご)基金(ききん)が管理(かんり)し、経済的(けいざいてき)に貧(まず)しいながらも優秀(ゆうしゅう)な成績(せいせき)を収(おさ)めている子(こ)どもたちに奨学金(しょうがくきん)を支給(しきゅう)するためにあります。

  2021年(ねん)度(ど)は、70人(にん)に一人(ひとり)当(あ)たり約(やく)5,000円(えん)の奨学金(しょうがくきん)と、文房具(ぶんぼうぐ)一式(いっしき)を贈呈(ぞうてい)しました。

 

■ ハイフォン市(し)障害児(しょうがいじ)支援(しえん)事業(じぎょう)

  2014年(ねん)から2018年(ねん)まで5カ年(ねん)にわたり、ハイフォン市(し)障害児(しょうがいじ)支援(しえん)事業(じぎょう)として運営(うんえい)支援(しえん)していた「障害児(しょうがいじ)クラブ」総括(そうかつ)を、2019年(ねん)度(ど)に行(おこな)っています。その後(ご)、新型(しんがた)コロナウイルス感染症(かんせんしょう)の影響(えいきょう)で渡航(とこう)制限(せいげん)がかかったため、総括(そうかつ)の結果(けっか)報告(ほうこく)と今後(こんご)の話(はな)し合(あ)いが保留(ほりゅう)されていました。

  2021年(ねん)度(ど)も、渡航(とこう)の見通(みとお)しが立(た)たないことから、カウンターパートであるハイフォン市(し)ソーシャルワークセンター(SWC)へ書面(しょめん)報告(ほうこく)、ならびに今後(こんご)についての協議(きょうぎ)を行(おこな)いました。

 

ベトナムの来期(らいき)活動(かつどう):障害児(しょうがいじ)クラブは2021年(ねん)度(ど)で事業(じぎょう)終了(しゅうりょう)

  アジア子(こ)どもの家(いえ)奨学金(しょうがくきん)事業(じぎょう)では、71人(にん)の子(こ)どもたちに奨(しょう)学(がく)金(きん)と文(ぶん)房(ぼう)具(ぐ)一式(いっしき)の支給(しきゅう)を行(おこな)う予定(よてい)です。

  ハイフォン市(し)障害児(しょうがいじ)支援(しえん)事業(じぎょう)については、エファから総括(そうかつ)で示(しめ)された残(のこ)された課題(かだい)と教訓(きょうくん)を踏(ふ)まえ、障害児(しょうがいじ)クラブ事業(じぎょう)の定着(ていちゃく)と発展(はってん)のため事業(じぎょう)継続(けいぞく)提案(ていあん)を行(おこな)いました。しかしながら、SWCからは「発達(はったつ)障害児(しょうがいじ)の支援(しえん)に移行(いこう)したい」との意向(いこう)が示(しめ)され、最終的(さいしゅうてき)な協議(きょうぎ)の結果(けっか)、障害児(しょうがいじ)クラブは本(ほん)振(ふ)り返(かえ)りをもって事業(じぎょう)終了(しゅうりょう)となりました。

 

 

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■ クラウドファンディング・募金(ぼきん)事業(じぎょう)

  エファ初(はつ)のクラウドファンディング「生(い)きる力(ちから)向上(こうじょう)プロジェクト!カンボジア障害児(しょうがいじ)とお母(かあ)さんに教育(きょういく)を」を2022年(ねん)3月(がつ)1日(たち)から3月(つき)30日(にち)までの間(あいだ)で実施(じっし)しました。合計(ごうけい)で144人(にん)、また3つの企業(きぎょう)・団体(だんたい)の皆(みな)さまから、1,522,000円(えん)もの寄付(きふ)をいただきました。また「夏(なつ)募金(ぼきん)キャンペーン」と「歳末(さいまつ)募金(ぼきん)キャンペーン」も実施(じっし)。総額(そうがく)1,913,530円(えん)のご支援(しえん)となりました。

 

■リサイクル募金(ぼきん)・グッズ販売(はんばい)事業(じぎょう)

  リサイクル募金(ぼきん)ではハガキ、切手(きって)、古本(ふるほん)、CD、DVDなどのご支援(しえん)をいただき、総額(そうがく)409,053円(えん)となりました。

  またエファ支援国(しえんこく)の女性(じょせう)や障害(しょうがい)がある方(かた)が製作(せいさく)した布(ぬの)製品(せいひん)などを現地(げんち)で仕入(しい)れ、「エファグッズ」として販売(はんばい)。注文(ちゅうもん)をいただいた自治労(じちろう)県(けん)本部(ほんぶ)のお名前(なまえ)を入(い)れたトートバックも販売(はんばい)し、こちらは総額(そうがく)382,500円(えん)のご支援(しえん)となっています。

 

■ 集会(しゅうかい)・イベント事業(じぎょう)

  2021年(ねん)6月(がつ)総会後(そうかいご)にオンラインイベント「ラオスNOW・エファNOW」を開催(かいさい)しました。ラオス国立(こくりつ)図書館(としょかん)、当法人(とうほうじん)ビエンチャン事務所(じむしょ)、東京(とうきょう)の総会(そうかい)会場(かいじょう)を結(むす)び、意見(いけん)交換(こうかん)などを実施(じっし)しました。

  また夏休(なつやす)みオンラインイベントとして、自治労(じちろう)組合員(くみあいいん)のご家族向(かぞくむ)け企画(きかく)・オンラインでのサマーキャンプを8月(がつ)に展開(てんかい)しました。

 

日本(にほん)国内(こくない)の来期(らいき)活動(かつどう):イベントを積極的(せっきょくてき)に開催(かいさい)予定(よてい)

  2021年(ねん)度(ど)施策(せさく)は、2022年(ねん)度(ど)も引(ひ)き続(つづ)き実施(じっし)いたします。クラウドファンディングや募金(ぼきん)キャンペーンは、目標額(もくひょうがく)をアップ。さらなる告知(こくち)活動(かつどう)を展開(てんかい)していきます。

  また、新型(しんがた)コロナウイルス感染症(かんせんしょう)の感染(かんせん)状況(じょうきょう)を見(み)ながらではありますが、イベントの実施(じっし)・参加(さんか)を積極的(せっきょくてき)に行(おこな)います。2022年(ねん)度(ど)は、企画(きかく)を一新(いっしん)し、エファ主催(しゅさい)のイベントを実施(じっし)していく予定(よてい)です。

 

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特定(とくてい)非営利(ひえいり)活動(かつどう)法人(ほうじん)エファジャパン 2021年(ねん)度(ど)年次(ねんじ)報告書(ほうこくしょ)

発行(はっこう)  特定(とくてい)非営利(ひえいり)活動(かつどう)法人(ほうじん)エファジャパン 2022年(ねん)8月(がつ)15日(にち)

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