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エファ通信

2010.11.25 更新

エファ通信87号

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           エファ通信87号
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みなさま
 
 10月のカンボジア出張で“物を乞う”人々について、新たに感じた
ことがありました。

 学生の頃から“物乞い”と呼ばれる人たちに対する自分の態度を決
めかねています。“物乞い”といっても年齢層、手段、境遇は様々で、
一言に彼らを総称することはできません。また、故意に汚い服を着て
“物乞い”を職業とし経済的自立が遅れることや、養育者が現金収入
のため子どもに乞わせ、子どもが教育を受ける機会を奪うことなど様々
な問題を孕んでいます。
 与える者がいるから乞う者がいる、物乞いという行為を世界から追
放するなら、与える者がいなくなればいいのかもしれません。また、
今ここで生活に貧窮している人々を助けるつもりでお金を渡したとし
ても、それがどう使われるかは何もわかりません。その日のたった一
回の食事代なのか、ビール代なのか、与える者はそれをコントロール
することはできず、コントロールする理由もありません。

 カンボジアのプノンペン市内でも、路上や市場で子どもからお年寄
りまで様々な人々が手を差し出します。SCADPの女の子たちと食材を買
う市場は価格も低く庶民的な場所ですが、身体が不自由な人や子ども
たちが物乞いをしています。買い物をしている人たちも決して裕福で
はないでしょうが、自然な様子でお金を渡す人が少なくありません。
 SCADPのユースメンバーも、大抵渡します。日常生活に組み込まれ
ているこの行為は何ら特別なことではなく、その日の気分による人々
の“気まぐれ”にみえるのです。

 この“気まぐれ”こそが、物乞いの問題を解決しないのかもしれま
せん。しかし私には、この光景があまりに自然で、今まで悶々として
いた意識が緩みました。おそらく、“与える”-“乞う”という図式
に上下関係をみていたため、“与える”ことの責任を過大に評価して
いたのでしょう。もちろん“与える”ことは責任を伴いますが、その
行為自体が相手の人生を左右するのではなく、相手自身が人生を決め
ることを無視してはいけません。市場での自然な光景にあるのは、人
間同士の上下関係や支配関係でなく共有関係でした。言葉だけの空っ
ぽな“助け合い”ではない、生きることに実直な人々の姿を見た気が
しました。この“課題”について5年先、半世紀先をどう考えようと、
みな今を生きているのです。

 とはいえ、未だ私には自然に“与える”ことができません。“乞う”
選択をしなくても、人々が自由に生きられる世界の実現を、諦められ
ないのでしょう。
 
 
■■目次■■
 
○お知らせ○
・エファHP グッズ購入にショッピングカート導入!
・エファパートナーのみなさま
 
○主な動き○
・自治労東京都本部定期大会
・子どもの権利推進シンポジウム 開催報告
・カンボジア出張報告
・事務局長出張報告
・ラオス活動報告

○ちょこっトピック○
・子どもへの体罰は、暴力か?
 
○寄付情報○
 
○会員情報○
 
 
◆◆◆お知らせ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 
エファHP グッズ購入にショッピングカート導入!
—————————————————
 10月に新しくなったエファジャパンホームページですが、11月9日
にエファグッズページにも本格的にショッピングカートを導入し、リ
ニューアルが完了しました。
 エファグッズページの商品一覧で現在販売している商品を全てご覧
いただけるほか、閲覧時点での在庫の有無も一目で分かるようになっ
ています。色・柄のご指定ができない商品についても、電話・メール
などで在庫をご確認の上お選びいただくことは可能です。また、これ
まで通りメール・FAXでのご注文も受け付けているほか、「お支払・
交換について」のページにはエクセルの注文用紙を掲載しております
のでこちらもご利用いただけます。

 新しくなったエファグッズページもぜひ一度ご覧ください!
 
※エファグッズについてはオンラインでのクレジットカード決済はで
きませんのでご了承ください。
 
 
エファパートナーのみなさま
——————————
 日頃よりエファジャパンの活動にご理解とご協力をいただきまして
誠にありがとうございます。
 10月末から11月上旬にかけて、エファパートナーのみなさまへ今年度
分(2010年4月~2011年3月)のご入金のお願いをお送りさせていただ
きました(口座自動引落をご利用のみなさまにはお送りしておりませ
ん)。2010年度につきましてもぜひ引き続きご支援いただきますよう
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
 今年度分のパートナー寄付金につきましては2011年3月までのご入金
(または口座自動引落のお手続き)にご協力をお願いいたします。ご
入金のお願いがお手元に届いていないエファパートナーの方がいらっ
しゃいましたらエファジャパン事務局までご連絡ください。なにとぞ
よろしくお願い申し上げます。
 
※すでにご入金いただきましたみなさま、及び口座自動引落をご利用
いただいているみなさまは新たなお手続き等は不要です。ご支援に心
より感謝いたします。

▼▼▼活動報告▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
 
自治労東京都本部定期大会
—————————-
 10月30日に開催された自治労東京都本部第58回定期大会に、事務局
長の大島が出席しました。エファジャパンは2009年から自治労東京都
本部の国際連帯活動である「ラオス・カンボジア子ども支援ツアー」
の受け入れを実施し、最近では単位組合での学習会開催など、協力関
係が拡大しています。日頃からのご支援に深く感謝いたします。
 
 
子どもの権利推進シンポジウム 開催報告
——————————————-
 11月4日「子どもの権利推進シンポジウム -子どもに対する暴力の
ない社会をめざして-」と題したシンポジウムを開催し、エファジャ
パンとNPO法人子どもすこやかサポートネット、NPO法人児童虐待防止
全国ネットワーク(オレンジリボン運動事務局)、スウェーデン大使
館が共催しました。
 本シンポジウムでは、体罰を含め子どもに対するあらゆる暴力を世
界で初めて法律で禁止したスウェーデンから国会議員やNGO事務総長、
大学教授を招聘しました。スウェーデンが子どもへの体罰に関して国、
社会、大人、そして子どもがどのように意識し体罰禁止活動へ参加し
てきたか、また体罰が虐待につながる危険性や体罰がもつ子どもの心
身への長期的な負の影響について、道徳的根拠と科学的事実をもって
紹介されました。
 
 翌日5日もシンポジウムに関連する活動を実施しました。午前には
チャイルドライン支援議員連盟主催の「子どもに対する暴力の予防、
その施策を考える」と題した勉強会へ、スウェーデン国会議員や専門
家の方々が参加しました。日本の議員の方々と、日本国内での体罰禁
止に関する動向や法制化の実現可能性などに関する意見交換がなされ
ました。
 午後には弁護士や社会福祉士、臨床心理士、NGO職員など子どもや
家族に関わる専門家の方々を対象に「子どもへの暴力予防について」
と題し関係者会合を実施しました。体罰禁止法制定へ向けた審議に伴
う、子どもに関わる各専門分野それぞれの動きや相互連携の必要性な
ど、具体的な行動指針について話し合われました。スウェーデン国会
議員や専門家の方々も参加し、日本とスウェーデンの類似・相違点を
考慮しながら、今後の活動促進に期待が示されていました。
 
 
カンボジア出張報告
———————
 10月19日~10月29日、事業担当高田がカンボジアへ出張しました。

 21日にはエファジャパンが支援しているカンボジア「子どもの家」
である国立幼稚園教員養成学校の校長先生と面会し、幼稚園教員とし
て働く卒業生の生活に関するインタビューを実施しました。以前卒業
生から卒業後1年間は無給で働くと聞いていましたが、校長先生による
と幼稚園教員への1年目の給料は確かに支給されませんが、月々$30の
積立制で1年後にまとめて支払われるとのことです。2年目からは月々
$50支給されるとのことですが、実際は給料の支払いが遅れたり金額が
少なかったりと様々なケースが生じてしまうそうです。
 卒業後も経済的に不安定であることを知りながら、幼児教育の必要
性を強く感じ実践している訓練生たちの多くが、卒業後もその希望を
実現させ帰郷し幼稚園教員として働いています。

 19日の夜から27日までSCADP(Street Children Assistance and
Development Programme、ストリートチルドレンを保護・教育している
カンボジアのNGO)のプノンペン市内にある事務所兼子どもたちのシェ
ルターで過ごしました。ここで暮らす子どもたちの背景は様々ですが、
保護者の他界、養育拒否(行方不明)、貧困、家庭内暴力など、ほと
んどがその家庭環境に痛みを抱えています。

 SCADP職員の調査によりカンボジア全国から、家庭環境に恵まれず地
域コミュニティから疎外され“子どもの権利”を奪われた子どもたち
が集まってきます。最年少の男の子は3歳で、今年8月に入居しました。
父親は兵士で不在、母親は行方不明になり保護者がいませんでした。
1人遊びが多く、枝やガラクタを使ってどんどん自分の遊びを発見し
ていく様子は、これまでも1人で過ごす時間が多かった境遇の表れか
もしれません。また危険な行為も多く、車の横行する道路に駆け出す
こともあります。何が“危険”であるか、他者から教えられた経験が
少なく自分の経験だけで感じていたのでしょう。
 しかし今はSCADPで暮らす年長者(10代後半~20代前半)たちが親と
して、また共に暮らす子どもたちが兄弟・姉妹として彼を保護し、共
に遊んでいます。大きな家族の一員になり、いつも誰かが見守ってい
てくれることで、自分が“守られている”感覚や、自分を“守る”感
覚が培われていくことでしょう。

 SCADPで生活する子どもたちはこれまで、教育・文化分野での活動を
継続・促進してきましたが、栄養や衛生面の知識が求められる食習慣
全般については実施されてきませんでした。朝食のインスタント麺や
たんぱく質摂取の不足など栄養バランスが考慮されていない食事や、
調理・食事前とトイレ後の手洗い習慣欠如など、基本的で健康的な習
慣があまり着目されてこなかったのです。
 食事作りや1日にかかる食費の管理、そして子どもたちの健康管理は
基本的にこの施設で暮らす10代後半のメンバーが行っています。SCADP
での生活を育み、守っているのは彼らです。何を変えて、何を変えな
いか、SCADPの子どもたちと相談しながら彼らの“家族”生活を崩すこ
となく、より健康的に暮らせるよう、一緒に考えています。
 
 
事務局長出張報告
—————–
 11月7日より事務局長の大島がエファジャパンの活動に関連する4ヶ
国(カンボジア、タイ、ラオス、ベトナム)へと出張しています。
 
<カンボジア>

 最初の訪問国カンボジアでは、まず新年度のカンボジア「子どもの
家(国立幼稚園教員養成学校および附属幼稚園)」奨学金受給園児30
名と訓練生25名全員に会い、受給リストの確認を行いました。初めて
外国人の前に座る園児のなかには、かなり緊張している子もいました
が、来年の受給期間終了時の面接では今回よりもリラックスしてくれ
ることを期待します。訓練生との面接では、習った英語を使おうと英
語で質問に答えてくれる訓練生もいました。来年7月には、全員が訓練
課程を修了し、幼稚園教員として巣立つことを願います。

 「連合・愛のカンパ」にからご支援いただいているスラムの寺子屋
教室運営支援も新学期が始まり、新年度は210名が登録されています。
10月の高田職員の視察に続いて、今回もプノンペン市内の3教室を訪問
しました。各教室とも、スラムからの出席児童のうち50~60%は初め
て寺子屋教室に参加する子どもたちでした。現場で教室の運営を担っ
ているのはSCADPです。
 SCADPの事務所には、様々な理由で親と生活できない子どもたちが通
常40~50名保護されています。7月と10月に高田職員が子どもたちと生
活を共にし、彼らの生活改善について子どもたちと一緒に考えていま
す。年長者が年少者の世話をし、皆が兄弟姉妹のように生活している
この安定した共同体を壊すことなく、ポジティブな変化を起こす糸口
として、今回2つの小さな試みを始めました。この試みは、職員が滞在
中に気づいた、栄養の知識なしの調理や手洗い習慣の欠如という、よ
り健康的な生活を送る上での課題点を解決するためのものです。

 ひとつは、日本の小学校ではおなじみのオレンジ色のネットに入れ
た石けんを蛇口のそばに縛りつけたことです。ネット入りの石けんが
珍しいのか、子どもたちは早速先を争うように手を洗っていました。
まずは調理・食事前とトイレ後の手洗いがSCADPで習慣化されるよう、
スタッフやボランティアへの簡単な研修を実施し、不潔な手により食
中毒を起こす可能性があることなども伝えました。
 もうひとつは、子どもたちの成長や健康状態のモニタリングに必要
な、体重と身長の定期的な測定と記録を開始したことです。体重計は
SCADPの事務所にあり、これまでに年2回の測定を実施していたそうで
す。しかし身長を測る道具が無かったため、他団体の栄養改善事業で
使われていた道具を思い出しながら、大島自らが板と巻尺で作成しま
した。本格的な身体測定は初めての子どもたちにとって、ちょっとし
た楽しいイベントのようでした。今後は2ヶ月ごとに測定してSCADPで
暮らす年長者が記録を管理します。
 
<タイ>

 タイでは、自治労大阪府本部が取り組みを開始するビルマ(ミャン
マー)からの移住労働者子弟への教育支援予定地を訪問する予定でし
た。しかし11月8日、訪問地メソトに近いビルマ側で政府軍と少数民族
カレン人の反政府武装勢力が衝突し、1万名を超える住民が戦闘を逃れ
てメソトに脱出しました。そのため、市内は混乱状態に陥りビルマ側
からは銃声や砲弾の音も聞こえてくるとの連絡がビルマ日本事務所を
通じて出張先のカンボジアに届きました。治安上の理由で現場の受け
入れ先からは訪問延期を勧められたため、メソト訪問はキャンセルせ
ざるをえませんでした。
 現場訪問はかないませんでしたが17日にはタイの首都バンコクで、
FTUB(ビルマ労働組合連盟)の事務所を訪問し、副委員長に対してエ
ファジャパンの団体概要を説明し、今後自治労大阪府本部の支援が始
まった際にはエファジャパンが調整役となることを伝えました。さら
に、事業開始直前か直後には現場の子どもたちの状況を調査する意向
を伝えました。副委員長によると、現場の情勢が落ち着き次第、調査
は可能とのことでした。
 
 
◆ラオス活動報告
—————–
 11月13日、日本外務省より資金協力を得ているセコン県子ども文化
センター(CCC)事業の一環としてタテーン郡ガンドン村で活動を実
施し、CCC職員5名、情報文化副局長、ジュニアリーダー(先生の補佐
をする年長の子どもたち)22名と、村の子どもたち午前311名、午後
257名が参加しました。今回は村の子どもたちを対象に、衛生や栄養
に関するポスターによる説明、ゲームや歌、紙芝居の読み聞かせ、絵
画コンテスト、リサイクル工作活動などを実施しました。子どもたち
は様々な活動を、一日中楽しむことができたようです。学校の先生た
ちには図書コーナーに寄贈する本の登録方法や、読書推進活動の運営
方法に関する研修を実施しました。
 
 ルアンパバン県CCCでは今年8月から2年間、県・郡CCC支援事業を実
施しています。10月30日にはコミュニティ図書館事業支援者の方々が
パークウ郡(ルアンパバン県全12郡のひとつ)を訪問し、子どもたち
と交流会を実施し、スポーツ用品や子どもたちが希望していた本を支
援しました。ルアンパバン県は全郡にCCCを開設しているラオスで唯一
の県であり、他県もこれに見習って全郡にCCCを設置することを目標と
しています。また10月29日~11月5日、コミュニティ図書館事業支援の
代表者の方が各村や小学校、中高校での譲渡式典に参加しました。
 
 全労災から支援を得ているヴィエンチャン市立図書館の蔵書支援は
今年で2年目になります。ラオス語の出版物は未だ少なく専門書などの
冊数が限られています。そのためテレビなどで馴染みがあり普及して
いるタイ語の文献も購入しています。ヴィエンチャン市立図書館職員
3名と共に、タイ東北地方の最大都市であるウドンタニで本を購入し、
ウドンタニ公立図書館を視察しました。
 同図書館では7月に入った新人職員3名が仕事に慣れてきたため10月
より週2回(水・土)の子どもたちへの活動を再開し、自治労東京都本
部のご支援により運営されています。
 
 
■□■ちょこっトピック■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
 
子どもへの体罰は、暴力か?
——————————

 “体罰”に対して、みなさんはどんなイメージや意見、あるいは記
憶を持っているでしょうか。今回は「活動報告」欄でもご報告した、
『子どもの権利推進シンポジウム』で議論された内容を含めて“子ど
もへの体罰”についてちょこっトピックします。
 
<体罰⇒しつけ。しつけ⇒体罰?>

 体罰禁止法のない日本において体罰の多くは、しつけという理由を
もっています。体罰は“しつけ”という言葉に置き換えられることで、
教育的な意味を生み出してしまいます。では、“しつけ”とは、そも
そも何でしょう。
 国内外で子どもや女性への暴力防止に取り組んでいる、森田ゆり氏
(エンパワメントセンター主宰、立命館大学客員教授)によると“し
つけ”という言葉自体には2つの意味があります。つまり「躾」は、礼
儀作法や身だしなみ、言葉づかいといった社会的行動の細部における
決定事項を徹底すること、そして「仕付け(糸)」は細部を徹底せず
大まかな枠組みをつくることです。
 体罰の理由となるしつけは、「躾」から派生しています。子どもへ
のしつけの目的は、大人が子どもの行動や感情を細部にわたって決定
し支配することではなく、大まかな枠組み(仕付け)のなかで、子ど
も自身が自分の行動や感情をコントロールして自立・自律することで
す。人間の成長は、他者の欲求により形成されるのでなく、自分の自
己実現を追求することで促進します。大人の欲求や徹底した意図から
外れてしまう子どもは、体罰を与えるべき悪い・間違った子どもなの
でしょうか。

 
<体罰をした者は、犯罪者か?>

 国連「子どもの権利委員会」など国連人権機関は、多くの社会で顕
在化している子どもに対する暴力を予防するため、体罰を含めたあら
ゆる身体的・精神的暴力を法律で禁止するよう、国連加盟国に要請し
ています。現在までに29ヶ国(アジア0ヶ国)が法律を改正しました。
スウェーデンは1979年、世界で初めて、体罰を含めた人間としての品
位を傷つける子どもへの行為を法律で禁止し、この法律改正のモデル
国として世界中から参考にされています。
 法律で体罰を禁止するということは、体罰をしてしまった親や教師
などは罪を犯したことになります。子どもは自分の身近な大人が、自
分に関わる行為によって犯罪者になることに、複雑な思いを抱かざる
をえません。
 しかし今回スウェーデンから招聘した国会議員や専門家によると、
同国では体罰をした者がサポートを必要とする者と捉えられ、それが
親であれば介入が必要な家族として支援の対象になります。子どもを
含む国民全員が体罰の暴力性を意識するとともに、その裏には大人と
子どもの関係性における、自分たちでは解決できなくなってしまった
歪みがあると捉えられるのです。
 スウェーデンの親に対する全国的な調査によると、親は子どもとの
衝突が起こった時、子どもと同時に自分自身も落ち着かせ、平和的な
対話で解決するようです。
 
<あれは体罰か? 体罰は暴力か?>

 子どもの頃、虐待とはいえなくとも何らかの暴力的な行為を大人か
ら受けた方は、「自分が受けたあれは、体罰だったのかな?」と自問
しているかもしれません。あるいは、「子どもに対するあの行為は、
体罰なのかな?」と振り返っている方もいらっしゃるでしょう。その
体験には、様々な意味や解釈が含まれているかもしれません。しかし
少なくとも、その経験は現在も自分の心や身体に刻まれるほど強烈な
ものなのではないでしょうか。

 記憶や経験は人それぞれの解釈によります。しかし様々に理由づけ
された“体罰”により心身の発達が脅かされたり、命を失う子どもが
いる日本の現状において、体罰は暴力になりえます。体罰の問題は、
人それぞれの解釈では解決できなくなってきているのです。
 
 
▼△▼寄付をいただきました▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
 
2010年10月29日~11月24日確認分 ありがとうございました。
 
カンボジア 計¥2,000
・yahoo募金

●●●会員情報●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
 
 HP掲載は省略 
 
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発行人 イーデス・ハンソン       編集担当 高田みほ