カンボジア近況報告

カンボジアの子どもたちの近況をお届け

エファの活動は、会費や寄付によって支えられています。
たとえば1万円があれば…
ベトナムでは
子どもの家に保護されている子ども1人の半年分の生活費になります。
ラオスでは
40冊程度の絵本を図書館のために買うことができます。
カンボジアでは
幼稚園10クラス分の手作り教材や遊具(ボールや人形)を用意することができます。
 
カンボジア子どもの家とスラムの子どもたち         
■カンボジア子どもの家 
  「カンボジア子どもの家」(プノンペン)は、カンボジア国内のモデル園として運営されている公立幼稚園で、国立幼稚園教員養成学校の敷地内にあります。ここには年少、年中、年長の合計約160名が在籍。教員養成学校で学ぶ将来の先生のための実習の場にもなっています。教員養成学校は2年制で合計約300名が勉強しています。
その他、子どもの家には図書館があり周辺に住む子どもたちにも開放しているほか、プノンペン市内7学区の幼稚園とスラムを回る移動図書館、カウンセラーによる児童相談(小学生・保護者対象、その他卒園児のフォローアップなど)も行っています。
 
 
幼稚園の教室でお話の時間 園庭の遊具
幼稚園では、
・うがい、手洗いなどの生活習慣を教える
・教育省の幼児教育プログラムに従った保育(数の数え方、書き方、お絵かき、遊戯、歌等)
・砂遊び、ゲーム、遠足などの外保育
を行っています。
この他、朝・昼・おやつの三食を栄養状態に配慮しながら子どもたちに提供しており、学期ごとに医師による健康診断も行われます。
また、教師養成学校に通う生徒は、この幼稚園で実習を行っています。
幼稚園教師養成学校の生徒たち
女性90%、男性10%で男性も増えているそう
 
■スラムから通う子どもたち 
 
 貧困層の子どもたちの状況
 貧困層と呼ばれる子どもたちの90%はいわゆるスラム地区に住んでいます。子どもたちの親は教育を受ける機会も無いままに育ち、定職を持つことができずに貧しい生活をしている人がほとんどです。一般的な知識・教養が欠如しているため、子どもを家庭内で教育することは困難で、日々の仕事探しや日雇い等の不安定な仕事で手一杯のため、子どもにかける時間が極端に限られています。
 貧困層の子どもの残り10%は、路上で暮らすストリートチルドレンと呼ばれる子どもたちで、彼らの多くは児童労働者として酷使されているのが実情です。
 貧困層の子どもたちに共通するのは、多くの場合栄養失調状態で、日々の生計を立てるのに精一杯の大人たちの目が届かない、あるいは放っておかれているために、犯罪に巻き込まれたり、麻薬中毒に陥ってしまう子どもが後を絶たないということです。小学校への就学率も、プノンペン全体では90%であるのに対し、スラム地域では30〜40%と言われており、その中から小学校を卒業するのは更に少数です。
 幼稚園教育の意義
 スラムから通う子どもたちにとっては、他の経済的に恵まれた子どもたち以上に大きな影響があります。
 まず健康面では、幼稚園に行けば栄養のある2回の食事と1回のおやつを食べられること、手洗い、着替えなど体を清潔に保つ生活習慣を学んでいることがとても重要で、健康診断でも著しい体調不良は発生していないことが確認されています。
 学習面では、お遊戯・歌、ごく基本的な文字・数の学習や、他の子どもたちと思い切り遊ぶなど、心の成長が著しい幼児期に安心できる場所で子どもらしい時間を過ごせることで、大きな成長を見せています。
 こうした子どもの変化や成長を目の当たりにする保護者は、学習の大切さを理解するようになります。その結果、家庭での子どもの教育にも関心を寄せることも多く、小学校への進学・登校を積極的にサポートするため就学率が上がります。また、幼稚園に通うことで日中の子どもの心配をしなくてもよくなるため、安心して仕事ができて助かるといった保護者の声も届いています。幼稚園への送り迎えは仕事に出る親の代わりに近所の住人が担うなど、スラムで協力して子どもたちを通わせています。
スラムの様子(奨学金を受けている子どもたちが住んでいる2つのスラム)
◆チャンカーモンスラム(子どもの家の近くのチャンカーモン地区にあるスラム))
 
職に就けない人が多いスラム内では平日の昼間でも大人がたくさんいる 子どもたちはどこでも活発に遊ぶ
 
このスラムには「子どもの家」から月4回
読み聞かせに来る
学校に行っていない子どもにとっては
唯一の教育との接点
 
◆ワットタンスラム(子どもの家の近くにあるタン寺院(ワット)の元火葬場周辺にできたスラム
 
スラムの入口(中央にあるのが寺院の参門) スラムの子どもたち
 
にら饅頭売りの母親。毎日屋台を引く 洗濯するお母さんの肩をもみもみ…
 
■奨学金事業
 スラムの子どもへの奨学金
 2007年10月から2年間、自治労和歌山県本部の支援によりスラムの子どもへの奨学金事業を継続することになりました(この事業は、自治労奈良県本部の支援により2005年1月から2年間、26人のスラムの子どもたちを対象に実施され、その後この10月まではエファが自主資金で継続していました。)。子どもの家近隣の3つのスラムから30人の子どもが子どもの家幼稚園へ通えることになります。
 
通園中の子どもたちの紹介(一部)
子どもの名前(性別・年齢) 家庭環境など
スートラー(女の子・8歳) 父親はバイクタクシー運転手。母親は家で作ったそうめんを売っている。
センナラー(女の子・5歳) 5人兄弟のうちの双子の一人。父親は軍隊。
カンニャー(女の子・5歳) 7人兄弟。父親はオルセー市場で日雇いの肉体労働。母親は無職
カマヤラ(女の子・5歳) 2人兄弟。父親は日雇いの建設作業員。母親は屋台で焼きそば売り。
チョーンチャンカ(女の子・5歳) 父親は日雇いの建設作業員。母親は縫製工場勤務。
ハイカー(男の子・5歳) 3人兄弟。長女はほとんど帰ってこない。母親はにら屋台でにら饅頭売り。
ターサリナ(女の子・6歳) 2人兄弟。父親は死亡。母親は再婚し家を出る。現在祖母が養育。
サライコイ(女の子・5歳) 父親は日雇いの建設作業員。母親は洗濯業。
サルンピサ(男の子・5歳) 11人兄弟。父親は月に半分ほど建設作業員として働く。母親は無職。上の2人の子どもは働きに出ていて同居していない。
トリプリャート(男の子・5歳) 5人兄弟。父親は死亡。母親は不明。現在は川で漁をしている叔父と同居。
 
奨学金内訳
子ども1人分 食費 1日3食(朝、昼、おやつ)
学用品 文具など
衛生用品 石けん、タオルなど
健康診断 年2回
   合計             200ドル
(約22.000円)
 
 訓練生への奨学金
 子ども達への奨学金同様、自治労和歌山県本部の支援により、国立幼稚園教員養成学校の訓練生へも奨学金を出すことになりました。対象となるのは、地方の貧困地域からプノンペンへ出てきて訓練を受けている学生のうち成績優秀な15人です。実家が貧しい訓練生は、学用品や寮での食費、また体調を崩した時の医療費などを負担できないことが原因で、養成期間半ばで帰京を余儀なくされるケースが後を絶ちませんでした。地方出身の訓練生は、養成学校卒業後また出身地へ戻り教員になることを期待されています。そのため、奨学金事業を行うことにより、教育事情の良くない地方の幼児教育の質向上に寄与することも目的としています。
 
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