すべての子どもが教育を受けるために

プレアビヒアの寺子屋教室

プレアビヒアの教育環境

プレアビヒアの国境地帯では広い範囲に住民が分散して住んでおり、効率的な行政サービスの実施が難しい条件であることや、長らく紛争の影響下にあったため外国からの支援を含め地域の開発が遅れたことなどの事情により、公立学校の設置が進んでいません。そのため、地域で小学校に通っている子どもの割合が低く、たくさんの子ども達が初等教育から疎外されています。エファジャパンは2011年度から、カンボジアの市民団体SCADP(スキャップ:Street Children Assistance and Development Programme)がプレアビヒアで運営する14ヵ所の寺子屋教室に対し、登録されている約900人の生徒へ学用品や通学カバンなどを無料で支給してきました。

寺子屋教室の様子

初等教育6年分の課程を寺子屋教室で

これまでSCADPとエファジャパンが寺子屋教室を運営していたプノンペンやカンダール県などでは、貧困など主に家庭の事情で学校に通えない子ども達が勉強していました。寺子屋教室の目的は子ども達を学校に戻すことであり、小学校編入試験を受けるための基礎的な学習を提供していました。しかし、プレアビヒアでは子ども達が編入する先となる小学校が非常に少なく、今後も増設される可能性が低いため、この地域の子ども達の学ぶ権利を保障するためには、寺子屋教室で初等教育6年間の課程を提供することが望ましいことが分かってきました。そこで、プレアビヒアでは今後、寺子屋教室で小学校6年生までの課程を修了できるよう、体制づくりや人材育成を進めていくこととしました。

パイロット事業

14ヵ所の寺子屋教室全ての体制を一斉に整えることは難しいため、ある程度条件の揃った村を1つ選定しパイロット事業を実施します。このパイロット事業の進捗を評価しながら、他の村へ徐々に広げていくことを目標としています。
・ 公立小学校の学年末試験を用いた習熟度テスト(学年分け)
・ 現行の低学年のみの複式学級を、高学年を含め学年毎に教室を充てられるよう教室の増設
・ 寺子屋教室で通常使用している政府認定の非公式教育用教科書ではなく、公立小学校の教科書を授業で使用
・ 高学年を教授できる教員の育成と人材定着 

先生の研修

通常寺子屋教室の先生は、地域で高校卒業程度の学歴を持つ住民が教室の趣旨に賛同し、あるいは地域住民に選ばれて就任しています。しかしプレアビヒアでは高校卒業以上の学歴を持つ住民は非常に少なく、ましてや教員の資格や訓練を受けた経験のある住民もいないため、基礎的な算数やクメール語以上の授業を行なうのは難しいのが現状です。今後寺子屋教室で高学年までの授業を行なえるようにするために、継続的に研修を実施し、人材を育成していきます。

 

育成した先生の定着も今後の課題です。プレアビヒアは世界遺産に登録された寺院遺跡の観光開発が徐々に進んでおり、給与水準も上がっているため、育成した人材が他の仕事に流出してしまう可能性も高くなります。現在寺子屋教室の先生は、実費程度の報酬で活動しているほぼボランティアであるため、今後人材の定着を図るためには適正な給与の確保も考えなくてはなりません。

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