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エファ通信

2012.10.25 更新

エファ通信110号

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           エファ通信110号
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みなさま

 
NGOで情報発信の仕事をしていると、
業界用語の扱いにしばしば悩むことになります。
 
特に、一般的な日本語と用法が違う上に
上手く(簡素に)言い換えるのが難しいものがあります。
 
「アクセス」はその典型的な例で、
一般的な日本語では「交通の便」
コンピューター関連では「情報の呼び出し」
というような意味で使いますが、
国際協力用語としては物理的な交通の手段だけでなく
「何かを得る(へたどり着く)手段や機会や環境」
の意味で使われることのほうが多い言葉です。
 
「教育へのアクセスがない」といった具合に使い、
この場合は「教育を受ける機会が無い」
と言い換えることもできますが、
「アクセス」に含まれる「諸々の条件・状況」
のニュアンスは失われてしまいます。
(ま、重要でないと言えばそれまでですが:笑)
 
先日は、「未就学児」でひっかかりました。
 
日本では学齢に達していない幼児を指しますが、
国際協力・開発の世界では
学齢に達していて就学していない児童に対しても
使われる言葉です。
 
エファジャパンのように基礎教育と就学前教育の
両方について活動していてそれを分けて表現したい時に
言い換えが必要になってきます。
(大抵は分けて表現することを諦めます:汗)
 
学齢期には不就学・非就学という言葉もありますが、
外国籍の子どもで日本の学校に学籍が無い場合から
広くは引きこもりの子どもまで含むなど、
一般に知られていない上に定義は流動的なようです。
 
そもそも、日本で「未就学児=幼児」なのは
学齢期の子どもは就学しているのが前提であるという
社会的な認識が定着しているからなのかも知れません。
 
私達の言葉や考え方は自分が住む社会や文化に
どうしても縛られてしまいますが、
そうした違いを越えて相手を理解することができる表現を
常に考えていきたいと思っています。
 
(宮)
 
 
 
■■目次■■
 

○おしらせ○
・古本リサイクル募金始めます!
 
○主な動き○
・書き損じハガキでラオス支援
・カンボジア出張報告
・ベトナム駐在員帰国報告
・地方自治研究全国集会に出展
・ベトナム活動報告
・ラオス活動報告
 
○ちょこっトピック○
・ベトナム 奨学金を受けた子どもへのインタビュー
 
○寄付情報○
 
○会員情報○
 
 
 
◆◆◆お知らせ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 
古本リサイクル募金始めます!
———————————-
 エファジャパンでは、古本買取店・嵯峨野株式会社との提
携により古本リサイクル募金を開始することになりました!
 古本を嵯峨野株式会社に送付することで、買取価格がその
ままエファジャパンへの寄付になります。嵯峨野株式会社か
らエファジャパンへ入金され、寄付額(買取額)は嵯峨野株
式会社から寄付者ご本人へお知らせします。古本以外にも、
CDやゲームなども買取の対象となります。5点以上で送料無
料。電話で集荷や梱包用のダンボールも請求できます。
 11月中の開始を予定しています(現在Webページを準備中で
す。中旬くらいになると思います)。送付方法などはWebペー
ジをご覧ください。紙の資料をご希望の方はエファジャパン
事務局までご請求ください。準備が出来次第お送りします。
 これから年末に向けて処分する書籍などありましたら、ぜ
ひご利用ください。
 
 
 
▼▼▼活動報告▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
 

書き損じハガキでラオス支援
——————————-
 昨年度の書き損じハガキで、ラオスへの支援を実施しまし
た。
 今回の支援先はセコン県にある少数民族学校。貧困などの
理由で学校への通学が難しくなってしまった子ども達が、寄
宿生活を送りながら中学・高校の勉強ができる学校です。こ
この約440人の生徒達に、制服のズボンとスカートを寄贈しま
した。
 ここの生徒には、入学時に1着制服が支給されますが、追加
で替えを買うお金が無いため、皆その1着を大切に着ています。
しかし数年経つと傷むのは避けられず、木の床や地面に直接
座ったりすることもよくあるため破れているのもよく見かけ
るということでした。
 これからも引き続き書き損じハガキの収集にご協力をお願
いいたします。
 
 
カンボジア出張報告
———————-
 カンボジアでは10月から新学期が始まります。9月末にプノ
ンペンを訪問した際、新年度の寺子屋教室支援に関して、パ
ートナー団体であるSCADPと打合せを行いました。プノンペン
市内のスラムの子ども達を対象に始めた事業は6年目、隣県カ
ンダールの村の寺子屋とプレアビヒア県の国境地帯の寺子屋
支援は2年目になります。支援する寺子屋教室の数は23、登録
児童数は1000人を超えます。最低限必要な学用品を登録児童
全員に配り、教室には教材を支給、プノンペンとカンダール
では教員の給与の全額、プレアビヒアでは給与の一部を保障
するのが支援の主な内容です。国立幼稚園教員養成学校に聴
講生として送った2名の教員は卒業して、プノンペンとプレア
ビヒアの寺子屋で教えています。全ての子どもの教育を受け
る権利を実現するため、今後も支援を拡大していく予定です。
 
 
ベトナム駐在員帰国報告
————————–
 ベトナム駐在員の崎川が9月23日~10月3日の間一時帰国し、
支援者の方々へ事業報告などを行いました。
 最初に訪問した自治労大分県本部では、2年間に渡りラオス
のカムワン県とシェンクワン県で実施したUXO(不発弾)啓発活
動をご支援頂きました。この活動により、21の村で計4,000人
近くの子ども達に、UXOを発見した時の対処法やUXOの危険性
を伝えることができたことを報告しました。
 自治労佐賀県本部では、ラオスのルアンパバン県のCCC(子
ども文化センター)を長年に渡りご支援頂いてきました。今回
の訪問では、過去2年間に実施したルアンパバン県の郡(県の
一つ下の行政区分)のCCC支援で、新たな郡CCCの設置や活動用
具の支援をしたことなどをお話ししました。
 自治労広島県本部では、今後ラオスの図書支援を検討され
ています。そこで、現在のラオスの図書全般の現状をお話し
し、今後の支援をどのように進めていくかについて話し合い
ました。
 現在、自治労東海地連からは、ヴィエンチャン市立図書館
の運営費をご支援頂いており、今年7月に行われたラオスのス
タディツアーでは、ヴィエンチャン市立図書館にも視察に来
られました。今回の自治労東海地連への訪問では、その時の
感想を基に、今後の運営支援のあり方、計画について話し合
いました。
 これらの訪問で頂いたご意見、ご感想を今後とも現場で生
かせるよう、エファジャパンとしても努力してまいります。
皆様、お忙しいところ時間を割いていただき、ありがとうご
ざいました。
 
 
地方自治研究全国集会に出展
——————————
 10月19日から21日まで神戸市で開催された第34回地方自治
研究全国集会で、活動紹介のブースを設置しました。自治労
の定期大会や中央委員会と異なり、一般組合員の参加が多く、
エファの知名度の低さを実感しました。今後は、組合員の方
々と直接つながる活動を検討していきます。
 
 
ベトナム活動報告
——————–
 自治労栃木県本部のご支援では「アジア子どもの家奨学金
基金」として支援金をベトナムの銀行口座に預金し、毎年金
利(約9%~14%)から得られる利息を奨学金として子ども達に
支給しています。奨学金の支給対象となるのは、ハイフォン
市で経済的に困難な状況にあるにも関わらず、優れた学業成
績を収めている子ども達です。今年は9月27日に奨学金の授与
式がハイフォン市のオペラハウスで開かれ、ベトナム国内外
の支援団体や企業と伴にエファジャパンも参加し、ハイフォ
ン市の子ども達に奨学金を支給しました。今回の授与式では、
「アジア子どもの家奨学金基金」から112人の子ども達に奨学
金が授与されることが発表され、その内25人の子ども達が授
与式に出席し、奨学金を受け取りました。自宅から授与式の
会場が遠く出席できなかった87人の子ども達には、後日、各
地区・村の行政機関を通して奨学金が手渡される予定です。
近年のハイフォン市の物価の上昇に加え、「アジア子どもの
家奨学金基金」の運営がハイフォン市政府によって適切にな
されていることから、今後はエファジャパンも「アジア子ど
もの家奨学金基金」の増資を行っていく予定です。
 
○関連情報・写真
 
・ハイフォン市の困難な状況にある子ども達に奨学金を支給
 https://www.efa-japan.org/?p=7943
 
 
ラオス活動報告
—————–
 10月7日、自治労青森県本部の皆さんが研修ツアーでラオス
の首都ヴィエンチャン都を訪問されました。ヴィエンチャン
都では、ラオス図書館協会、ヴィエンチャン市立図書館、自
治労新潟県本部のご支援により設立されたタトーン村コミュ
ニティ図書館を視察されました。ラオスの図書館支援を検討
されているということで、皆さん真剣な表情で視察されてい
ました。
 10月11日には、ラオス南部に位置するセコン県の県CCC(子
ども文化センター)を訪問し、活動用具の寄贈を行いました。
セコン県CCCは、エファジャパンが2009年11月~2010年11月の
間、日本外務省のNGO連携無償資金協力を得て設立・運営の支
援を行ったCCCです。本事業終了後2年近くが経ち、現状視察
と活動用具の寄贈を兼ねてセコン県CCCに行ってきました。建
物や活動用具は設立当時と変わらず丁寧に使われ、掃除も行
き届いている様子でしたが、エファジャパンの支援が終了し
てからは運営費が減少し、活動の数も少なくなっているとい
うことでした。今後は、セコン県CCCからラオス政府に運営費
支援を積極的に呼びかけていく予定です。
 
 ○関連情報・写真
 
・セコン県CCCの現状を視察、活動用具を寄贈
 https://www.efa-japan.org/?p=7959
 
 
 
■□■ちょこっトピック■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 
ベトナム 奨学金を受けた子どもへのインタビュー
—————————————————
 今号のベトナム活動報告で、「アジア子どもの家奨学金基
金」からの奨学金授与についてご報告しました。今回は、昨
年奨学金を受けた子ども達のインタビューをご紹介します。
 
スアン(仮名・11歳・女子、SOS孤児院)
 
父親は病弱で働けず、母親は彼女が1歳の時に亡くなりました。
3歳からSOS孤児院で暮らしており、現在17歳の姉も一緒です。
 
-奨学金は何に使いますか?
将来大学に進学したりパソコンを買うために母(寮母)に預
けて貯金しています。
 
-何の科目が好き?
算数。算数で良い点を取ると嬉しいから。
 
-何をしている時が楽しい?
国内の旅行がしたいです。まだドーソン(ビーチ)しか行っ
たことがないので…。あと、母(寮母)の料理の手伝いをす
るのが好きです。母は私達の面倒をよくみてくれるので感謝
しています。
 
-将来の夢はありますか?
学校の先生になりたいです。
 
-奨学金を貰ってどう思いましたか?
とても嬉しいです。頑張って勉強します。
 
ホア(仮名・14歳・女子)
 
両親は離婚しており、母と2人暮らしです。母親の収入は生
活ぎりぎりでとても苦しいようです。
 
-奨学金は何に使いますか?
学校へ納めるお金(教材ほかの諸経費)を払うのに使おうと
思っています。
 
-昨年は奨学金を貰いましたか?
貰いました。学用品を買うのに使いました。
 
-今欲しいものはありますか?
学校に通う自転車が欲しいです。(学校は3km離れている)
 
-やってみたいことはありますか?
ハイフォン市以外の場所に行ったことがないので、全国を
旅行してみたいです。
 
-将来の夢は?
医者になって母や祖母の面倒をみてあげたいです。母や祖
母は今厳しい状況で私を面倒みてくれているので。
 
-奨学金を貰ってどう思いましたか?
とても嬉しいです。感謝しています。
 
 
 
▼△▼寄付をいただきました▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
 
 2012年9月27日~10月24日確認分 
 
一般寄付(用途を指定しない)計\50,000
・ハイム化粧品
 
ようちえん募金 計¥22,500
・個人 2人
 
 
 
●●●会員情報●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
 
 敬称略。2012年9月27日~10月24日に登録の方   
     
※HPへの掲載は省略 
 
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発行人 イーデス・ハンソン   編集担当 宮原朝香